X BRANDトップ > カテゴリ一覧 > BUSINESS&MONEY > この10年で、いちばん儲かった投資先は?
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アベノミクス効果で日経平均はうなぎ上りで、米国でもダウ平均が史上最高値を更新している。好景気に乗り遅れまいと「株にするか、あるいは不動産にするか」と悩んでいる向きも多いだろう。
だが長期的に見て、ここ10年間でもっと勢いよく成長してきた市場がある。「高級収集品」投資だ。2008年の金融危機以降、株や債券に代わるオルタナティブ投資のなかでも、とりわけ美術品やコインなどの収集品への投資が盛んになっている。
この傾向は新興国の富裕層に顕著で、中国の民間調査機関、胡潤研究院によると、中国の富裕層の64%がなんらかの物品を収集しているという。コレクションは投資であると同時に自分でも楽しめる上に、ステータスシンボルにもなるのがブームの一因だ。
なかでも人気なのが美術品。ムンクの『叫び』が昨年約100億円で落札されたが、近代および戦後の巨匠の作品に対する需要はますます高まっている。美術品価格を示す指数の上昇率はこの10年で199%。素晴らしいパフォーマンスだが、これを凌ぐのがクラシックカーで、なんと395%も値上がりしている。これ以上のパフォーマンスを上げた市場は、ここ数年高止まりしている「金」(434%)だけだ。
他にも、コイン、切手、高級ワインなどが好パフォーマンスを上げているが(上図参照)、収集品市場は初心者にはなかなか参加しにくく、ハードルが高いのも事実。富裕層のポートフォリオのうち収集品が占める割合は4%ほどで、それぞれの市場規模が小さいため、市場は乱高下するリスクがある。また流行が移ろいやすい上に、素早く換金するのが難しく、最悪の場合ニセモノをつかまされることもある。
リスクが高いことは間違いないが、美しいものに囲まれながらリターンも得られる収集品投資の勢いはおさまりそうもない。
from UK 「フィナンシャル・タイムズ」(英語)
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