経済失速にもがく韓国で、メディアと政界の反日的「円安」攻撃が本格化してきた。韓国メディアは昨年末から安倍晋三首相の経済政策である量的緩和の結果としての円安に対して「空襲」などと強く敵視してきた。だがアベノミクスは世界経済で大きく非難されることもなく、むしろ評価が高い。この結果、歴史認識などでお家芸とする反日包囲網の形成に失敗し、ストレスのタネになっていた。韓国のメディアや政界では円安批判が、慰安婦問題と同レベルの民族主義の発露の場となっている。
「円安から歴史認識に至るまで日本の行動は不快感を与える」
今月23日、韓国与党セヌリ党の沈在哲・最高委員は党幹部会の席で、こう言い放った。
この席では、日本の閣僚や160人を超す国会議員による靖国神社の春季例大祭への参拝、安倍首相の真榊奉納や、その後の国会などでの歴史認識に関する一連の発言を問題視する議論が行われていた。沈氏の発言には韓国政界の円安に対するホンネが良く現れている。
韓国ではここのところ、安倍首相の経済政策である「アベノミクス」の結果としての円安に対する批判が高まっていた。最近発表されたいくつかの数字によって、反日の“為替ナショナリズム”に火が付いた。
韓国で最近発表された第1四半期(1〜3月)の企業業績を伝えた韓国メディアによると、現代自動車は昨年同期に比べて売上額で6%、21兆3671億ウォンを達成したが、営業利益は1兆8685億ウォンで10・7%以上減った。