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 第六章までお付き合い頂きまして、ありがとうございます。
「続きを楽しみにまたせていただきます」という、大変有り難い感想を頂きましたっ!
 初めボロクソに言われただけに、泣くほど嬉しかったです。
 同時に丁寧なご指摘まで頂いて、感謝してもしきれません。
 本当に、ありがとうございました。
 これからも、精進していく所存です。
 ※この章は、視点が変わって三人称になります。一部、一人称です。ご注意下さい。
第六章
 キカイタロウは、ワゴンで逃げる犯人を追っていた。現在のキカイタロウの身体能力は、通常の十倍である。ただし、稼働時間はたったの十分。それ以上は、オーバーヒート(エンジンやモーターが、異常過熱すること)してしまうからだ。
『逃がすかぁああああああぁっ!』
 キカイタロウは自慢の脚力を駆使して、ワゴンの上に飛び乗った。キカイタロウの体重で、天井が音を立てて大きく凹む。
『光太郎さんを傷付ける奴は、許さないっ!』
 怒声と同時にその天井を引っぺがし、犯人の襟首を鷲掴みにした。
「うわぁあっ?」
 恐ろしい力で首を掴まれた犯人は運転を誤り、ワゴンはガードレールに激突して大破した。衝撃で伸びてしまった犯人に手錠を掛け、ワゴンから引きずり出す。
『やりましたよ、光太郎さんっ』
 犯人を肩の上に担ぎ上げて、キカイタロウは南がいた場所へ戻る。さっき南がいた場所に、何故か人だかりが出来ていた。
『光太郎さん?』
 人を掻き分けて、中へ入っていく。人だかりの中心には南が、うつぶせに倒れていた。意識はなく、大量に出血していた。南を中心に、紅い水溜りが広がっている。キカイタロウは慌てて、南に駆け寄る。
『光太郎さんっ!』
「お前さん、この人の知り合いか?」
 南の止血をしていた初老の男が、キカイタロウに声を掛けてきた。真剣な面持ちで、キカイタロウは頷く。
『はい』
「さっき、救急車は呼んどいたよ。でも、この出血じゃ、助かるかどうか……」
 俯きがちに残酷な報告をしてくる男に、キカイタロウは色をなくした。必死に、倒れている南に呼び掛ける。
『光太郎さん! しっかりして下さいっ! 光太郎さんっ!』


『――ん、光太郎さんっ!』
 ぼんやりとした視界の中で、ミクだけがはっきりと見えた。やっぱり、美少女は違うね。ひとりだけ、別格だ。
「ミ……ク……」
『光太郎さんっ!』
 名前を呼んでやると、ミクも俺の名を呼んだ。赤いメモリーは名前を呼んでくれるらしい。「光太郎さん」か、やっぱり良いなぁ。
『聞いて下さい、光太郎さんっ! 私、犯人捕まえましたっ!』
 嬉々として報告するミクが可愛く見えて、俺は思わず笑ってしまう。初確保だもんな、そりゃ嬉しいに決まってる。俺だってまだ確保したことないってのに、先を越されちまったな。ああ、でも。これで、ミクがひとりでも犯人を確保出来るって証明された。良かった。なんだ、俺がいなくても大丈夫なんじゃねぇか。
 褒めてやりたくて、無理矢理笑顔を作ってどうにか言葉を絞り出す。
「おー……、スゲェ……。やった、な、ミク……」
『ええ。これからも一緒に、犯人捕まえましょうね! だから、死なないで下さい! 光太郎さんっ!』
 もしミクが人間だったら、きっと号泣してたんだろうな。そのくらい、ミクは必死に訴えてくる。ミクは涙を流さない。ロボットだから、機械だから。泣けなくて良かった。お前が泣いたら、俺までもらい泣きしちまうから。
 良くやったって、頭撫でて褒めてやりたかった。お前とずっと一緒にいたい。死にたくねぇ。だが、ここまでみたいだ。だって、もうほとんど身体の感覚がないんだ。だから、最後に一言だけ言わせてくれ。
 俺は、ほとんど音にならないくらい小さな声で、息も絶え絶えに言う。
「……今ま、で……ぁり、が、とな……」
『え?』
 虚をつかれたように、ミクが驚きの表情で聞き返した。そうか、聞こえなかったか。でももう一度伝えたくても、声が出ない。お前の綺麗な顔をずっと見ていたいのに、まぶたが重くて開けていられない。
『光太郎さん?』
 最期に聞く声が、お前で良かった。お前が呼ぶ、光太郎さんが一番好きだ。ミク、俺はお前が大好きだ。
 初恋は、人間の女の子だった。そして二番目の恋は、ロボットの女の子、ミクお前だよ。ロボットに恋するなんて、不毛だなぁ。でも、この想いは本当だから。最期に想いを伝えたかった。しまった、「ありがとう」じゃなくて「好きだ」と言えば良かった。


 キカイタロウは内蔵されたセンサ等で、南のバイタルサイン(生きている証。脈拍・心拍数・呼吸数・血圧・体温等のこと)を調べる。全ての数値が確実に下がっていき、やがて心拍数がゼロを示した。
『光太郎さぁあああああああああんっ!』
 キカイタロウは、満足そうな顔で目を閉じた南の身体にすがり付いて絶叫した。南を抱き締めて、真剣な表情で訴えかける。
『何故、光太郎さんが死ななくてはならないんですかっ! 殺人鬼は生きているのに、貴方が死ぬって、どういうことですかっ? 何で、そんなに幸せそうに笑っているんですかっ?』
 キカイタロウは自分の中から電極を引き出し、南の服を肌けさせる。
『絶対に、諦めません!』
 止血している初老の男に、声を掛ける。
『離れて下さいっ!』
「お、おう」
 驚きながら初老の男が離れたのを見計らって、南の心臓に電気ショックを与える。電流が流れると、南の身体が大きく跳ね上がった。しかし、心拍は戻らない。
『いつだったか、私言いましたよね? 私の相棒は、貴方だけだって。貴方が死んだら、どうしたらいいんですかっ? 宮本さんに記憶を消去して貰って、他の誰かと組めば良いんですかっ? そんなのは、イヤです! 貴方と過ごした日々を、なかったことにしてしまうのはイヤなんですっ! 私は貴方と、いつまでも一緒にいたいんですっ!』
 声を掛けながら、キカイタロウは何度か電気ショックを繰り返した。だが、南の心拍が戻る兆しは見られなかった。
 やがて、パトカーと救急車がサイレンを鳴らしながら近付いてくる。彼らが到着する前に、キカイタロウは素早く電極を中へ戻した。キカイタロウがロボットであることは、機密事項だからだ。
 救急車から救急隊員達が飛び出して、すぐさま南に心肺蘇生を試みる。
 一方パトカーからは、安藤刑事が降りてきた。
「タロウ!」
『安藤先輩』
「一体、どうなってんだ、こりゃあ?」
 多くの野次馬を見て、安藤刑事は驚いていた。キカイタロウは冷静を装って、気を失った犯人を安藤刑事の前へ連れ出す。
『犯人は確保しました。ですが、犯人を追い詰める時に、光太郎さんが犯人に刺されてしまいました』
「はぁ、そんなこったろうと思ったぜ」
 安藤刑事は呆れたように、大きくため息を吐いて続ける。
「どうも、様子がおかしいと思ったんだよ。刺されたんなら、刺されたって素直に言やいいものを、カッコつけやがって……」
『心配掛けさせないように、気を遣ったんじゃないですか?』
 フォローするようにキカイタロウが言うと、安藤刑事は小さく肩を竦めて苦笑する。
「まぁ、らしいっちゃ、らしいけどよ。タロウ」
『はい?』
「お前は、アイツについててやれ。ここは俺達がやる」
『ありがとうございます、安藤先輩』
 安藤刑事は優しい声色で、キカイタロウの頭を撫でた。キカイタロウは礼を言って、南の元へ戻った。南は担架に乗せられ、救急車で運ばれるところだった。ドアを閉めようとする救急隊員に、訊ねられる。
「乗られますか?」
『はい』
 キカイタロウは迷うことなく即答し、救急車へ乗り込んだ。

 手術中のランプが、赤々と灯っている。どこまでも白い病院の廊下には、キカイタロウだけが静かにベンチに座っている。
 診療受付時間中は、外来の患者が多くてかなりうるさいのだが。夕方の病院は、意外と静かだ。時折、医療器具やカルテを持った看護士が、廊下を歩いていく。
 手術室の扉が閉ざされてから、既に一時間以上が経過している。たった一回、包丁で刺されただけなのに重体に陥った。人間はもろくて、はかない。
 もし南がロボットだったら、多少ケガをしたところで、部品を取り替えれば済む話だ。最悪大破してしまっても、バックアップさえ取ってあれば、作り直せる。だが、人間はそうはいかない。死んだら二度と、作り直せない。キカイタロウはロボットなので、傷付いた南に血を分けてやることは出来ない。傷付いた部位を、取り替えることも出来ない。今は、ただ待つことしか出来なかった。

 それからさらに一時間後、手術中のランプが消えた。医者と看護士、そしてストレッチャー(タイヤが付いた上げ下げ出来る簡易ベッド)に寝かされた南が、扉から出てくる。
『光太郎さんっ!』
 キカイタロウは立ち上がって、看護士達が運ぶストレッチャーに駆け寄る。呼吸器と輸血用パックを付けられた、南の顔色は白い。まるで、死んでいるようだ。だが、こうやって処置されているからには、生きている。
『光太郎さんっ!』
 南は静かに目を閉じたまま、キカイタロウの呼び掛けに応えない。代わりに、横にいた女性看護士がキカイタロウに問い掛けてくる。
「患者さんのご家族の方ですか?」
『いえ、同僚です。光太郎さんは?』
「出血が多く、傷も深かったのですが、もう大丈夫ですよ。容態は安定しています」
『良かった……』
 冷静な看護士の受け答えに、キカイタロウは安堵したように微笑んだ。
 南は病室へ運ばれ、看護士達の手によって、ベッドへ移された。設置が終わると、看護士達は病室を後にした。部屋には、心電図とその周辺機器、呼吸器、点滴がところ狭しと置かれた。全て、南に繋がっている。
『光太郎さん……』
 ベッドの脇に置かれたパイプ椅子にキカイタロウは腰掛けて、南の顔を見つめた。キカイタロウが、南の寝顔を見るのはこれが初めてだった。キカイタロウをスリープモードにしてから、寝ているからだ。
 南は決して美形ではないが、元々の人の良さが顔にも出ていて人好きする顔をしている。キカイタロウの顔は作られた美しさだが、南には自然な美しさがあった。キカイタロウは、その顔をずっと見つめていた。

 そうして、どのくらいの時間が経ったのだろう。南の同僚達が、病室を訪れた。
「はぁい、タロちゃん♪」
「どうも、タロウさん! ブラックさんの具合はどうですっ?」
「おいおい、病院なんだから、大声を出すなよ」
 姐御肌の海原綾、天然元気娘の空木良子、そして気は優しくて力持ちの安藤大介。皆、気さくな仲間達だ。
『先輩方。光太郎さんなら、もう大丈夫です。出血が多くて、傷も深かったそうですが、容態は安定しています』
 キカイタロウはさっき看護士が言ったことを、そのままトレースして言った。心配の色が濃かった彼らの顔から、笑みが零れる。
「あら、心配して損したわぁ」
「それは良かったですっ!」
「だから、大声出すなって」
 南は、愛されている。キカイタロウは南の相棒であることが、とても誇らしかった。
 優しげな笑顔で、安藤がキカイタロウの肩を叩く。
「良かったな。さっきは、お前の方が死にそうな顔してて、ちょっと怖かったぞ」
『私が、そんな顔を?』
「おう。でも、今は大丈夫そうだな。安心したぜ」
 キカイタロウはロボットだから、感情はないはずだ。しかし、何故か悲壮感のある顔をしていた。
 いつだったか南も、意外そうに笑いながら言った。
「お前、そんな顔も出来るんだな」
 そんな顔と言われても、キカイタロウは自分では分からない。だが、状況に応じて、表情を作るようにプログラミングされている。きっとロボットらしからぬ、人間らしい顔をしていたのだろう。
「お、そうだ。これ」
『何です?』
 世話好きの安藤が笑顔で、ポケットサイズのウエットティッシュを差し出した。
「お前、あちこち血塗れでヒドいぞ? ちゃんと処置しとかないと、服シミになるぞ」
「そうそう。せっかくの可愛い顔が、台無しよ~?」
 海原が優しい笑みを浮かべてウエットティッシュを一枚取り、キカイタロウの顔を拭った。その横で、空木が元気良く手を挙げる。
「でしたら、私が服を拭きますっ!」
 キカイタロウの代わりに、空木が血が滲んだジャケットを無茶苦茶に擦った。それを見た安藤が、慌てて止める。
「やめろ! そんなことしたら、布が痛むっ!」
「えぇ? せっかく一生懸命やったのにっ!」
「ダメなものは、ダメだ!」
「そんなぁ……」
 安藤が空木の手からウェットティッシュを取り上げると、空木は不服そうに頬を膨らませた。子供を叱り付けるように空木の頭を軽く小突くと、安藤は優しくキカイタロウに声を掛ける。
「タロウ、それ脱げ。俺が、クリーニングに出しておいてやる。代わりに、これでも羽織っとけ」
 安藤はキカイタロウのジャケット剥ぐと、代わりに自分が着ていたジャケットを掛けた。大柄な体格の安藤のジャケットは、キカイタロウにはブカブカだ。だが、そんな彼の好意を、キカイタロウは素直に受け取ることにした。
『ありがとうございます』
「あら? タロちゃん、凄いのしてるわね」
『凄いって、何がですか?』
「それよ、それ」
 ジャケットを脱いだ時、海原はキカイタロウが付けている派手なベルトに気が付いた。キカイタロウの両手ほどもある大きな機械仕掛けのベルトには、赤いメモリーが差し込まれたままだ。赤いメモリーには「がんがんいこうぜ」という作戦がプログラミングされており、その名の通り全力で犯人を追う。しかしその効力は、わずか十分後に切れる。切れた後は、友好的な性格になるよう設定されている。
 安藤と空木も、驚いたようにベルトに注目する。
「うわっ、何だそれ、●イダーベルトか?」
「あれに似てますねっ! ええっと、仮面●イダー……、えー、あー、うーんと。何だっけ?」
 空木は必死に思い出そうと唸っているが、どうやら思い出せなかったようだ。気を取り直して、明るい声で大きく頷く。
「とにかく! 仮面●イダーの変身ベルトみたいですっ!」
「タロちゃんってば、何でそんなもの付けてるの? 趣味?」
 好奇心旺盛な女性ふたりに問い詰められて、キカイタロウはベルトを見下ろし、愛しげな柔らかい笑みを浮かべて答える。
『これは、私の大事な人達の思いがたくさん詰まった大事な物です』
 科警研の研究員達が試行錯誤の末に作り上げた、キカイタロウの制御装置だ。もうひとつのブレーンと言っても、過言ではない。試作機だとはいえ、ここまで完成させるまでに、どれだけの人が関わり、どれだけの年月と金を費やしたことだろう。その苦労は計り知れない。
「思い出の品なんですねっ!」
「それって、何だか素敵っ」
 感激する女子ふたりを横目に、安藤は真剣な面持ちでベルトを見ている。
「いや、そんな大事なものだったら、家に保管しとくべきなんじゃないのか?」
「全くもう、アンタってばホントお堅いんだからっ。大事な思い出が詰まったものだからこそ、ずっと身に付けて置きたいんじゃない!」
 海原が呆れたように安藤刑事の頬を突付くと、安藤はうっとおしそうにその手を退けて、キカイタロウに向かって真面目な口調で語り出す。
「それにしたってだな、警察官たるものがそんなおもちゃを付けていて良いと思っているのか? 一般人に見られたら、ふざけていると思われても仕方ないだろう」
『そんなこと、言われましても。これを外す訳にはいかないんです……』
 今にも泣き出しそうな弱々しい声で、キカイタロウは俯いた。
 そもそも、このベルトはキカイタロウの腹に直接付いている為、専門の技術士でなければ外すことは出来ない。 
「いいや、絶対に外してもらう。警察を何だと思っているんだ? 遊びじゃないんだぞっ?」
 キカイタロウがアンドロイドであることを知らない安藤は、しきりに外すように詰め寄った。すると、海原と空木がキカイタロウの身体を左右から抱き締めて、安藤を怒鳴りつける。
「ちょっと、安藤ちゃん! こんな健気な女の子を苛めるなんて、男らしくないわっ!」
「そうですよ! このくらい、アクセサリーだと思えば何でもないでしょうっ!」
「このくらい派手なバックルだったら、あたしだって持ってるわよっ!」
「どうしても、外さなきゃダメなんですかっ?」
 女ふたりに攻め立てられて、ついに安藤が折れた。不承不承、両手を挙げてお手上げのポーズを取る。
「わ、分かった分かった。まぁ、ジャケットの前をきっちり締めとけば、見えないからな。人前では、絶対にジャケットを脱ぐなよ?」
『ありがとうございます、安藤先輩。それから、庇って下さってありがとうございました、海原先輩、空木先輩』
 礼儀正しくキカイタロウがお辞儀をすると、三人は照れ臭そうに笑う。
「ったく、仕方ねぇな」
「もし、安藤ちゃんにまた苛められるようなことがあれば、いつでもこの姐さんに言いなさい。すぐ助けてあげるわっ」
「タロウさん! 私もすぐ駆けつけますからねっ!」
 いつの間にか手を組んだ海原と空木に、安藤はひとりふて腐れたように呟く。
「何だよ、俺ひとり悪者かよ……」
「さて、ブラックの無事も確認出来たし、帰るとしましょうか」
「ええっ? もう帰るんですかっ? 今来たばかりじゃないですかっ!」
 海原が切り出すと、空木が心底残念そうな顔をした。苦笑を浮かべつつ、安藤が空木を諌める。
「お前なぁ、遊びに来たんじゃねぇんだぞ?」
「まぁ、そうですけど。せっかく来たんですから、もうちょっと居たって良いじゃないですかぁ」
「いくら居たって、ブラックはまだ目ぇ覚まさねぇだろうよ」
 ごねる空木の腕を強引に掴んで、安藤は病室の扉を開けた。海原は穏やかに笑いながら、キカイタロウの肩を軽く叩く。
「それじゃ、タロちゃん。ブラックのこと、頼んだわよ?」
「またな、タロウ」
「それでは、帰りますねっ!」
『はい、お疲れ様でした』
 騒がしくも優しい同僚達が、手を振りながら帰って行った。
 彼らが帰ると、病室に静けさが戻った。さっきまで会話によってかき消されていた、心電図が発する電子音と呼吸器の音が病室を支配した。
 キカイタロウはただ静かに、南の側に付き添い続けた。事態を重く見た、科警研が迎えにくるまで、ずっと。
 ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。並びにお疲れ様でした。
 もし、不快になられましたら、申し訳ありませんでした。


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