中部電力は26日、南海トラフ巨大地震の地震動が浜岡原発2〜5号機(御前崎市佐倉)に及ぼす影響を評価した結果を初めて明らかにした。最大の地震動は5号機の1900ガル程度で、現状の耐震レベル(千ガル)を上回った一方、「耐震性は確保されている」と評価した。ただ、内閣府が検討中の長周期地震動の推計なども踏まえ、耐震性を高める追加工事の早期着工を目指すとしている。
浜岡原発では、内閣府が公表した南海トラフ巨大地震の津波高などの想定を受け、海抜22メートルの防潮堤建設などの津波対策を実施中。防潮堤などの耐震性を精査するため、2013年12月としていた津波対策工事の完了時期を15年3月末まで延期する。
内閣府の想定で、浜岡原発周辺は最大震度7とされる。中電は、内閣府と同じ強震断層モデルを使い、2〜5号機の地震動を推計したところ、最大で千ガル程度となった。5号機については、これまでの地下構造調査で判明した「低速度層」による揺れの増幅も反映させてさらに推計を試みた結果、最大1900ガル程度となった。
浜岡原発の基準地震動Ss(設計で想定する直下の最大の揺れ)は800ガル。中電はこれまでに、廃炉が決まった2号機を除く3〜5号機で千ガルに耐える耐震裕度向上工事を実施したが、今回の結果はこれを上回った。
中電は推計した地震動が原子炉建屋、基礎地盤などに与える影響を調べ、「基準を満たしている」と判断。静岡支店の西田勘二原子力グループ部長は「当初から余裕があると思っているが、配管やケーブルの一部は補強工事をしなければならない」と説明した。
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