大阪再開発:知の創造拠点「ナレッジキャピタル」公開
毎日新聞 2013年04月22日 13時45分
JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた」の先行開発区域「グランフロント大阪」(26日開業)で中核施設となる「ナレッジキャピタル(KC)」が22日、報道陣に公開された。IT(情報技術)や環境、ロボットなどの最先端技術を持った82の企業や大学、研究機関が集まる「知の創造拠点」。「感性と技術の融合によって新たな価値を創出する」をコンセプトとしており、来館者も含め、多様な人々が交わることで「うめきた発」の新たな技術や産業を生み出すことを目指す注目の施設だ。
運営する宮原秀夫・KC代表理事は冒頭のあいさつで「みんなで面白いことをするのがKCのモットー。研究者だけでなく、市民や子どもたちにも参加してもらい大阪を元気にしていきたい」と述べた。
来館者に最先端技術に触れてもらうザ・ラボや体験型ショールームなど一般の人々への情報発信のための施設のほか、企業人や研究者に出会いの場を提供するナレッジサロンや最大3000人規模の国際会議などが開けるコンベンションセンター、多目的劇場などを備える。ソフト面では、参画団体同士、参画団体と来館者のコミュニケーションの活性化を手助けする専門スタッフも配置。高橋豊典・KC事業統括部長も「世界のどこにも存在していない施設」と自負する。
KCを象徴する施設が、研究開発に来館者を巻き込んでいく「ザ・ラボ みんなで世界一研究所」。医療・介護分野で活躍するロボットやスポーツタイプの電気自動車、3Dで衣服をデザインする技術などの試作モデルを来館者に体験してもらい、来館者の驚きや感想を研究開発のヒントにしていく。
体験型ショールームも、暗闇の中で五感を研ぎ澄ませて住空間を体験するプログラム(積水ハウス)や養殖魚研究の成果が味わえる料理店(近畿大学)など、バラエティー豊かな施設がそろう。
開業記念イベント「THE世界一展」(26日〜9月1日、KCのイベントラボ)は、カップ麺や回転ずしのコンベヤーなど日本が生み出した世界初、世界一の製品や技術約175点を紹介。イベント会場のステージには、世界一の技を持つ人や世界一の製品を開発した人が連日登場し、得意の技や開発秘話を披露する。【若本和夫】