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事件
【顧客資金消失】巨額資金はどこへ 誇大広告、富裕層狙う
2013.4.27 00:56
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オフィスビルの一室にある同社事務所は、入り口に「本日の営業は終了した」との貼り紙が貼られただけ。電話口には終日、誰も出ないままだった。
債権回収を代行
MRIが手がけたのは、診療報酬請求債権(MARS)ビジネスと呼ばれるものだ。
日本のような国民健康保険制度がない米国では、民間の保険会社が医療保険を提供している。保険の種類ごとに医療機関が受け取る額が異なり、診療報酬の請求手続きは煩雑となる。このため医療機関自らが診療報酬を回収した場合、回収率は約35%にとどまるという。
MRIはこの点に着目。医療機関から診療報酬請求債権を低価格で買い取り、保険会社から回収を代行する事業を始めた。
顧客は債権を購入するためのファンドに投資。MRIによる債権買い取りと回収の差額の一部を、配当として受け取る仕組みとなっていた。MRIは本社を米国に置きながら、資金集めは日本国内でしか行っていなかったという。
AIJほうふつ
MRIが集めたとする1365億円の全額が失われたことが判明すれば、預かり資産約1458億円の大半を流出させ、詐欺罪などで社長らが起訴されたAIJ投資顧問に匹敵する規模となる。AIJが厚生年金基金という資産運用の“プロ”を狙ったのに対し、MRIがターゲットにしたのは主に個人の富裕層。だが、運用実績を偽り、常識では考えられない高利回りをうたう手口は同じだ。
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