牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査について、厚生労働省と農林水産省は19日、7月1日に一斉に中止するよう求める通知を都道府県などに出した。国は検査対象を段階的に絞り込んできたが、全国の自治体は独自に全頭検査を続けている。検査対象をさらに絞り込むのに合わせ、足並みをそろえてやめるよう促す。
内閣府の食品安全委員会が3日、検査対象を生後48カ月超に引き上げても「人の健康への影響は無視できる」とする評価書案をまとめたのを受けた。厚労省は7月1日に検査対象の牛を30カ月超から48カ月超に引き上げ、補助金も打ち切る方針。ほかの産地の動向を気にする自治体から「一斉にやめられるようにしてほしい」との声が出ていた。
通知は、全頭検査の継続は「国産牛肉の安全性について誤ったメッセージを発信し、流通に混乱を招くおそれがある」と指摘。消費者や生産者ら関係者の理解を得て、対象外の検査取りやめに向けた準備を進めるよう求めた。
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朝日新聞社会部