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落書き 思い出にキズ |
[2008/07/11掲載]
網走・元水族館の売店跡
網走市二ツ岩の元オホーツク水族館跡地に残された施設に何者かが落書きをし、地域住民は心を痛めている。落書きは景観を損ねるほか、市民の大切な思い出にも傷をつけている。水族館の土地・施設は道外の企業が所有しているため、市など行政による対応は難しいのが現状だ。
景観台なし 住民がっくり 道外企業所有で市は対応できず
オホーツク水族館は平成14年、入館者の減少などにより長年の歴史に幕を下ろした。水族館ではアザラシやラッコ、ペンギンなどが飼育され、行楽シーズンになるとにぎわった。敷地内にはミニ遊園地もあり、家族らと遊んだ記憶のある市民は多いはずだ。
閉館後の平成14年11月、水族館は奈良県に本社のある企業に売却された。企業は当初、水族館跡地を利用して事業を展開する方針だった。売却後、水族館の建物や屋外水槽などは取り壊され、遊具も撤去されたが、売店施設だけはそのままの状態で残された。
落書きは今年5月、市民が発見した。売店施設の1階部分にカラースプレーとみられる塗料で、大きな文字などが書かれていた(写真)。さらに6月、2階の窓ガラスにも落書きされた。
現在、水族館跡地の入り口部分には立ち入りできないようロープが張られている。車での侵入は難しいが、徒歩だと入ることができる。2階部分の落書きは、明らかに敷地内で書かれた。
水族館跡地の目前にはオホーツク海が広がり、そばには観光名所の二ツ岩、ホテルもある。季節を問わず観光客らが足を運ぶ場所でもあり、売店施設への落書きは景観を台なしにしている。
付近に住む女性市民によると、今でも家族との思い出を懐かしんで水族館跡地を訪れる人がいるという。女性市民は「私も子どもが小さいころに家族で足を運びました。大切な思い出がつまっている水族館の売店施設が無残な姿になり、なんとも言えない気持ちです」と声を落とす。
水族館跡地は市の財産でないため落書きの対応は困難で、所有する企業の判断に委ねるしかない。ただ、付近住民は網走署に相談し、深夜のパトロール強化などを求めた。
女性市民は「なぜ、落書きをするのでしょうか。観光地・網走の市民として恥ずかしいです」と話していた。(大)
[網走市/政治・社会]
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