TBS「Nスタ」Nトク ヘイトスピーチは規制すべきか? 新大久保デモ
平成25年4月25日(18:09〜18:15)に、TBS「Nスタ」内の特集で、新大久保デモの様子が放送されました。放送内容をそのまま文字にして残しておきます。
字幕(右上) 「殺せ」と叫ぶ過激デモ
デモ隊 在日朝鮮人・支那人をぶっ殺せー ぶち殺せー
字幕(下) 在日朝鮮人・支那人をぶっ殺せー ぶち殺せー
キャスター(男) このように過激な言葉で中国人や韓国人の排斥を訴えるデモが各地で行われています。
キャスター(女) こうしたデモは、ヘイトスピーチ、憎悪の表現と呼ばれ海外では法律で規制する国もあり、日本でも法規制をすべきだという声も出始めています。現場を取材し当事者の反論も聞きました。
画面(中央) 「Hate Speech」憎悪の表現
字幕(下) 海外では法規制も…”ヘイトスピーチ”に規制は可能か?
ナレーション 今月21日の日曜日。韓流スターのグッズショップや韓国店が並ぶ東京の新大久保に警備の車両がずらりと並びました。
字幕(左下)東京・新大久保 今月21日
──デモ風景──
在日韓国朝鮮人、中国人を日本から叩き出せー
字幕(左下) 排外デモ
ナレーション 始まったのは排外的な主張を掲げたデモ。ネット条の呼びかけなどで集まったという凡そ200人が行進し、その言葉は激しさを増していきます。
字幕(下) ネットの呼びかけなどで約200人が参加(警視庁調べ ※主催者発表は400人)
──デモ風景──
デモ隊 差別差別と私たちを脅す在日朝鮮人、支那人をぶっ殺せー ぶち殺せー 皆殺しにしろー
ナレーション こうしたデモは、竹島や尖閣諸島の問題が再燃した去年夏頃から特に激しさを増してきたと言います。
字幕(右) 新大久保の韓国人店員
韓国人店員(男) 韓国人死ねとか言われてちょっと怖いなって思ったんだけど
字幕(下) 「韓国人死ね」とか言われて怖いなって思った
字幕(左)新大久保の韓国人店員
韓国人店員(女) お客さんが来ても、デモやってるから怖いから、早く家に帰ろうって人も多いし
字幕(下)お客さんが来ても「デモやっていて怖いから早く家に帰ろう」って人も多い
字幕(右)日本人観光客
女 いきなりのことでびっくりしました。
字幕(下)いきなりのことでびっくりした
レポーター(男) 怖いという思いは
女 凄いありますし
字幕(下)Q.怖いという思いは?すごくあります
──Youtube映像──
字幕(左下) Youtubeより
ナレーション デモを行った団体が動画サイトにアップした映像には、こんな場面もあります。
男 出て来い朝鮮人。
桜井誠会長 殴り殺しにしてやるから来いよ
字幕(下)「出て来い朝鮮人」「殴り殺しにしてやるから来いよ」
桜井誠会長 男だろうが女だろうが関係ねーぞ いい朝鮮人も悪い朝鮮もいない!朝鮮人を皆殺しにしろー
他 皆殺しにしろー
字幕(下)「男だろうが女だろうが関係ねーぞ」「いい朝鮮人も悪い朝鮮人もいない 朝鮮人を皆殺しにしろー」
ナレーション 殺せなどと叫ぶ、こうしたデモのやり方について右翼系団体の一部からも批判的な声が挙がっています。
字幕(右)新右翼一水会 木村三浩代表
木村三浩代表 まっやりすぎなんじゃないかな
字幕(下)やりすぎなんじゃないかと
木村三浩代表 新大久保でね、やったって意味がないし大使館に行って行政能力者にね、ちゃんと抗議するならば、それでいいわけですよ。
字幕(下)(デモを)新大久保でやったって意味が無いし 大使館に行って行政能力者にちゃんと抗議すればいい
──デモ風景──
ナレーション しかし、特定の個人などへの攻撃であれば、名誉毀損罪や侮辱罪などに該当する可能性もありますが、対象が韓国人や中国人では抽象的すぎて法律の適用は難しいと言います。このため一部の国会議員から新たな法規制が必要だという声が出始めました。
字幕(下)対象が抽象的なため「名誉毀損罪」や「侮辱罪」の適用は困難 新たな法規制が必要との声も──
字幕(右)民主党 有田芳生参院議員
有田芳生参院議員 殺すとか、首連れとか、毒飲めとか、これはもう表現の自由を超えた水準だという風に思うんですよね。どっかで歯止めを掛けなければいけないと強く思いました。
字幕(下)殺す、首つれ、毒飲めというのは 表現の自由を超えた水準だと思う どこかで歯止めをかけなければいけないと
ナレーション 人間の尊厳を傷つける言動は、海外ではヘイトスピーチと呼ばれ、イギリスやカナダなど法規制を行っている国もあります。
字幕(下) ヘイトスピーチ「人間の尊厳を傷つける言動」のことでイギリスやカナダでは法律で規制
字幕(左)ヘイトスピーチに詳しい静岡大学 小谷順子教授
小谷順子教授 人種、宗教、性別、性的嗜好、そういったことに起因する人々の憎しみや偏見、それを表した言葉、表現、これがヘイトスピーチという風に定義できると思います。
字幕(下)人種、宗教、性別、性的嗜好 そういったことに起因する 人々の憎しみや偏見を表した言葉・表現がヘイトスピーチと定義できる
レポーター(男) 海外ではヘイトスピーチに当たるでしょうか。
小谷順子教授 それはあのー殆どの国で該当すると思います。
字幕(下)Q.こうしたデモは海外では? ほとんどの国で(規制に)該当すると思います
ナレーション しかしデモへの法規制は憲法が保障する言論、表現の自由に抵触する可能性もあります。
字幕(下)「言論・表現の自由」に抵触する可能性
字幕(左)静岡大学 小谷順子教授
小谷順子教授 表現の自由というものは最大限守られるべきである。特に表現の内容に基づいて規制をするということは絶対に許されないという風に考えられてきています。表現の自由がきちんと確保できていないと、きちんとした民主主義の国家としては不十分である。
字幕(下)表現の自由というものは 最大限守られるべきである 特に表現の内容に基づいて規制することは 絶対に許されないと考えられています 表現の自由がきちんと確保できていないと 民主主義の国家としては不十分
ナレーション デモに参加している二つの団体は、法規制を求める声にこう反論します。
字幕(右)日本侵略を許さない国民の会 菊川あけみ代表
菊川あけみ代表 きちんと伝えなければいけないことをまずメインにっていうデモしかやってません。国民のね、生命、財産も守りたいっていう一般の国民の人が殆どです。
字幕(下)きちんと伝えなければいけないことを メインにというデモしかやっていません (参加者は)国民の生命、財産を守りたいという一般の国民の人がほとんどです
字幕(右)在日特権を許さない市民の会 桜井誠会長
桜井誠会長 やれるもんだったら、どんどんやればいい。ただし、まぁ、無理でしょ。今の日本で気にくわなければデモをとめることができる、言論を封殺していいんだっていうのが、日本国民に受け入れられるとは私にはとても思えないので
字幕(下)(法規制を)やれるもんだったら どんどんやればいい ただし まあ無理でしょ 今の日本で「気にくわなければデモを止めることができる」 「言論を封殺していいんだ」というのが 日本国民に受け入れられるとは 私にはとても思えないので
──デモ風景──
群衆 かえーれー かーえーれー
ナレーション 帰れと激しく叫ぶのはデモに反対する人たちです。こうした反対するグループとの衝突も度々起きるようになりました。
字幕(下) デモに反対する人たちによる抗議も
ナレーション 過激なデモの表現に対し、私たちの社会がどのように対応すべきかが問われています。
キャスター(男) 私はこれは言葉による暴力だと思ってるんですね。あのぶち殺せとか皆殺しにしろという言葉をですね、表現の自由として議論すること自体疑問を感じます。国家による法規制を議論する前に、こうした行動とか発言をですね、日本国民として受け入れられるのかどうかをまず考えるべきだと私は思います。
キャスター(女) 本当にそうですね。ニュースをお伝えしました。
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僅か5分40秒程度の特集でしたが、よくまとまっていると思いました。デモが行われている原因についてテレビで放送するのは無理でしょうから、ヘイトスピーチに絡めてこのような編成になったのでしょう。それにしてもよく地上波で流せたものだと感心しました。
ただ、ヘイトスピーチを憎悪の表現と表記しているにも関わらず、肝心の憎悪とは何かに言及していないので視聴者の多くは、「ヘイトスピーチ=暴言」と勘違いしたことでしょう。
キャスター(男)も、余りこの問題に詳しくないみたいですね。最後のまとめで『ぶち殺せとか皆殺しにしろという言葉』を表現の自由としてと、言葉の問題にしてしまっているので、それなら”しばき隊”の「殺す」「皆殺しにする」という直接的表現も、キャスター(男)がいうところの「日本国民として受け入れられるのかどうか」の、まな板に乗ってしまいますね。
そして、あらあら(笑)と思ったのは、デモに反対する人たちを「差別に反対、抗議する一般国民」とせず、「反対グループ」と表現したことでしょうか。何かしら特別な反対勢力との対立という図式をわざわざマスメディアが、短くまとめてくれたので益々政治問題化していきますね。
それと木村三浩代表のコメントが気になりました。カットされてこうなったのか、最初からヘイトスピーチ自体に言及しなかったのかとても気になります。カットされたのだとしたら、TBS編成班は本当に阿呆だと思うし、最初から言及してなかったのなら木村代表は言葉を選んでいるなと、流石だな、と思いました。
トータル的にみて、全然偏向内容でもないし、いわゆるあっちよりでも無かったと思います。いつも通り、原因について議論されない外野的内容なので、却って運動拡大に繋がってしまうと思います。
今問われているのは、「過激なデモの表現に対し、私たちの社会がどのように対応すべきか」ではありませんから。
参考動画:
http://www.dailymotion.com/video/xzbbju_tbs-yyy-yyyyyyyy-h-25-4-25_people#.UXqOKrW-18E
http://news.tbs.co.jp/20130425/newseye/tbs_newseye5316122.html
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