妻の頭を金づちで殴って大けがをさせ、殺人未遂罪に問われた夫の裁判員裁判で、横浜地裁は26日、懲役3年執行猶予4年の判決を言い渡した。検察は懲役5年、弁護人も「懲役3年が適切」と訴えていたが、それより軽い刑を裁判員らは選んだ。温情判決の理由は「家庭内いじめ」といえる状況だった。
判決によると、川崎市多摩区の無職田中照明被告(71)は、妻から日常的に「くさい」などとなじられ、家族と一緒に食事もできず、洗濯物も洗ってもらえずに疎外されていた。昨年11月29日午前8時半ごろ、自宅で妻から「くさい」と言われてとっさに殺意を抱き、金づちで妻の頭を殴り、骨折などの重傷を負わせた。
検察は、疎まれていたのは酒浸りの生活を送り、妻に暴力をふるっていたためだと主張。弁護側は、妻の求めに応じて離婚し、自宅や預金をすべて妻に渡すと約束したうえで、なお「懲役3年が適切」と訴えた。
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朝日新聞社会部