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【三重】

松阪市、図書館の民間任せ見直し

松阪市が戦略的に活用していけるよう、今後のあり方を議論していく図書館=松阪市川井町の松阪図書館で

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 松阪市の山中光茂市長は二十四日の定例会見で、民間事業者に運営を委託している松阪、嬉野の両図書館の改革に市を挙げて取り組む考えを明らかにした。民間任せではなく、市の図書館政策を強化するため。市民の意見を聞きながら、今後の図書館のあり方を決めていく。

 市は図書館流通センター(東京都)を指定管理者に選定し、二〇〇九〜一三年度の運営を任せている。指定管理料は年一億一千五百万円。

 市教委いきがい学習課によると、両図書館の利用者数の合計は、十六万人(〇九年度)から十七万四千人(一一年度)に増加。貸出冊数も七十四万冊(〇九年度)から八十万冊(一一年度)に増えた。開館時間を一時間延長し、子育て支援の企画などを充実させたことが要因。山中市長は「民間が充実させ、市民の満足度も上がった」と認める。

 一方で「市教委が政策的なビジョンを明確に示せなくなっている。指定管理者に丸投げに近い形になっている」と指摘し、行政側の関与が薄れていることを問題視する。

 市は今後の運営について現在と同じ指定管理者制度を想定。管理者の選定で山中市長は「幅を持った提案ができるような公募にしたい」と説明した。提案次第では市が財政負担も検討し、民間の力が十分に発揮できるようにする。

 市は夏にもシンポジウムを開く計画で、関係費用を一般会計補正予算案に計上する。図書館の本来の機能を維持しつつ、どこまで新しいことを取り入れられるのか。同課の担当者は「市民の希望を聞かせていただき、これからの図書館像を共有したい」と話している。

 (戸川祐馬)

 

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