4回、中日・和田に送球を当ててしまい、呆然とする阪神・榎田。左は捕手・日高=ナゴヤドーム(撮影・白鳥恵)【拡大】
前回登板、18日の巨人戦(東京D)では7回2/3を6安打1失点。今季2勝目を手にした。ここまで3試合に先発し、2勝1敗。防御率は12球団トップとなる0・39と、驚異の数字をたたき出している。プロ入り後、ずっと胸に秘めていた先発への思い。1年目から中継ぎでフル回転してきた左腕が、本来の“持ち場”で、よりいっそう輝きだした。
初の月間MVPも視界にとらえている。だが、背番号13は「いままで通り自分の投球をしっかりすること。1試合1試合に集中してやっていきます」と控えめ。決しておごることはない。先の言葉が示す通り、優先すべきはチームの勝利。そのために、ただひたすら日高のミットをめがけてボールを投げ続けた。だが、落とし穴は五回に訪れた。
二死一塁だ。一走・大島に二盗を決められると、自らの暴投で三進を許した。そして、続く荒木には左前適時打。この日打たれた1本目の安打が、痛恨の先制打となってしまった。その後は後続を抑え、最少失点で切り抜けたが、打線の援護がなかった。榎田は6回1安打1失点で降板し、3勝目はならなかった。
打線は九回に一死一、二塁のチャンスで関本が左前打を放つも、左翼手の藤井の好返球で二走・田上は本塁タッチアウト。続く藤井彰は二ゴロに倒れ、最後まで本塁を踏めなかった。
日高(榎田に)「よく放ってくれた。バットを持つ人間としては、榎田が中日の時に打てていないので、もっと援護したかった」
田上(九回に二塁から本塁へ向かったが憤死)「ちゃんと判断して行っていたら、セーフになったと思う」