打撃練習で笑顔を見せる大谷

　打撃コーチ兼任の日本ハム・稲葉が２５日、千葉・鎌ケ谷の二軍施設で再調整を開始した。移籍後初となる不振が原因の二軍落ちに「今はコーチとして考えてない」と自らの課題に集中する姿勢を見せたが、本心はそれだけではないようだ。

　稲葉はこの日、右足首捻挫でリハビリ中の二刀流ルーキー・大谷と交代制のフリー打撃に臨んだ。ベテランの視線を背中に浴び、大谷は「一緒にいるだけで学べることが多い」と恐縮しきり。もちろんこれは「わざと近くで見てた。緊張する場面で打てるかが試合につながる」（稲葉）という育成の一環だった。

　さらに前日２４日に一軍が１８安打で勝利したことを受け「中田（翔）だけ無安打だったのでメールした。『周りが打ってる時はいいよ。周りが打てない時に打つのが４番だ』って」と、若き主砲を激励したことも明かした。一軍を離れてもナインの精神的支柱であることに変わりない。

　自らの志願で二軍に来たのは「いろいろ試せるから。一軍は結果が全てだが、ここなら模索できる」という稲葉。一方で、明日２７日のＤｅＮＡ戦（鎌ケ谷）に出場し、現在イースタンリーグタイ記録１４連敗中の二軍を救うことも期待される。通算２１００安打のベテランが、鎌ケ谷から再出発をかける。