川内優輝が快走誓う　世界陸上マラソン代表発表

　日本陸連は２５日、８月に行われる世界選手権（モスクワ）のマラソンと競歩の代表を発表した。男子では川内優輝（２６）＝埼玉県庁、写真＝ら５人が選ばれた。川内は幻のモスクワ五輪代表だった瀬古利彦氏らの分の快走を誓った。女子は木崎良子（２７）＝ダイハツ＝、福士加代子（３１）＝ワコール＝、野口みずき（３４）＝シスメックス＝の３人。代表が５枠になった１９９７年アテネ大会以降では初めてフルエントリーを見送った。

　瀬古さんの魂も背負って走ります−。代表決定を受け、勤務先の埼玉県立春日部高で記者会見した川内は「自分たちが頑張って、先人の無念を晴らさないといけない。出られるだけで、瀬古さんより恵まれていることに感謝しないといけない。出るからにはしっかり勝負したい」と気を引き締めた。

　モスクワといえば、日本が参加をボイコットした１９８０年五輪。当時優勝候補筆頭に挙げられながら走れなかった瀬古らにとっては悲劇の地だ。

　時空を超えた快走を誓う川内。「目標の６位入賞へ、身が引き締まる思い。今からがスタートライン。出るからには結果を残すのが責務」

　２回目の世界選手権、日本スポーツ界にとっての暗い歴史を塗り替える。　

　　（川村庸介）