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訪中の米軍トップ「米国に尖閣防衛義務ある」…中国報道ではカット

サーチナ 4月25日(木)11時0分配信

 中国訪問中の米軍制服組トップ、デンプシー統合参謀本部議長は24日、北京で記者団に対し、尖閣諸島を巡る日中の対立に関連し、中国側との会談の際に「米国は日本を守る条約と義務があると伝えた」と表明した。中国メディアはデンプシー議長の訪中活動を伝えているが、尖閣諸島に関連する発言を伝えた記事は見当たらない。

 AFPなどによると、デンプシー統合参謀本部議長は記者団に対して、「慎重にではあるが彼ら(会談した中国側指導者)に対して、米国には日本との条約上の義務が存在し、われわれはその義務を順守する」と述べたという。米国側の別の出席者は、尖閣諸島問題についての日中の争いについて「米国はどちらの立場も取らない」と述べた上で、「(尖閣諸島は)日本側の管轄化にあり、日米安保条約の保護を受ける」と述べた。

 デンプシー議長は「対立が高まれば、現場の戦術担当者が感情的になる効果が発生し、率直に言って中央当局の抑止を超える可能性もある」と危機感を示した。

 中国では、デンプシー議長と中国側の会談の様子や、その他の言動が紹介されているが、尖閣諸島についての中国指導者に対する日米安保絡みの発言を紹介する記事は見当たらない。

 中国新聞社はデンプシー議長が訪中の背景として◆台湾への武器売却◆ダライ・ラマの訪米◆尖閣諸島を不法占拠している日本の擁護◆南シナ海で国際法を持ち出して中国の権益を制限していること――などを挙げ、米中関係は「もめごとが多い春」、「両国関係は近年来、最低の水準」と評した。

 具体的会談内容としては、デンプシー議長側が中国側に「中国は米国に対してサイバー攻撃を続けており、サイバー攻撃部隊の拡大を行っている」と伝えた。中国側がサイバー攻撃を否定し、サイバー部隊の建設は防御目的と主張したという。

 朝鮮半島の核問題については、米中双方とも北朝鮮の核実験に反対する考えを明らかにした。中国新聞社は「現在のところ、米中が安全問題について一致した得がたい事例」と評した。

 人民日報も、デンプシー議長側と中国軍幹部の会談内容を報じたが、尖閣諸島の問題には触れなかった。(編集担当:如月隼人)

最終更新:4月25日(木)11時0分

サーチナ

 
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