名古屋グランパスの新人MF望月嶺臣(18)が25日、オールラウンドな司令塔への進化を誓った。公式戦デビューを飾った24日のナビスコカップ鹿島戦で、対峙(たいじ)した昨季Jリーグ新人王のMF柴崎岳(20)の動きに触発され、攻撃と守備の両面でレベルアップに励む。
生涯忘れないであろうデビュー戦で、望月は一人の天才MFとの出会いを果たした。印象に残った相手選手を尋ねられると、望月は迷わず柴崎の名前を口にした。「落ち着いていますね。判断力も技術も高い」
望月と柴崎には相似点が多い。望月は野洲高で1年から背番号「10」を背負い、柴崎も青森山田高で1年時から「10」。ともに全国高校選手権で活躍し、U−17ワールドカップ(W杯)にも出場している。世代を代表する司令塔だ。
意外な接点もある。望月の兄・聖矢さん(21)=大阪学院大=はU−16代表歴があり、僚友に柴崎がいた。聖矢さんから「柴崎はとにかく意識が高い」と聞いて以来、望月は2歳年上のMFに注目してきたという。
2人の直接対決は今回が初めて。望月は「ボクの中の柴崎さんはすごい人」と喜びつつ、「守備ではもっとパスコースを切るような動きをしないと。ボールを持ったとき、自分で持ち上がれる場面もあった」と自らの課題を再発見していた。
望月に対する先輩選手の評価は軒並み高い。MF小川は「鹿島戦では初めてなのに堂々とプレーしていた」と強心臓ぶりを称賛。DF阿部は「ウチには望月のように常にスルーパスを狙うようなボランチはいない」とパスセンスをほめた。
将来の日本代表を担うと目される柴崎に、望月も才能では劣らない。18歳の未来は果てしなく広がっている。
◆闘莉王、気持ち引き締め
25日の練習は所用で不在だったストイコビッチ監督に代わり、ジュロヴスキーヘッドコーチが指揮を執った。24日の鹿島戦を欠場したDF闘莉王は「いい練習ができたね」といつも以上にハードなトレーニングに苦笑。「前節のFC東京戦は嫌な負け方をした。次は勝たないといけない」と次戦のJリーグ8節広島戦(27日・瑞穂陸)に向けて気持ちを引き締めていた。
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