【大隈悠】飲料大手のカゴメは25日、空前の「トマトブーム」の追い風を受けて、2013年3月期決算の純利益が前期比53・7%増の64億円になったと発表した。1899年の創業以来の最高益。売上高も9・0%増の1962億円で、増収増益だった。
ブームのきっかけは昨年2月、トマトの成分にメタボリック症候群の改善効果が認められるとの研究結果が報道されたこと。とりわけトマトジュースは全国で一時品薄になるほどの人気を集め、通期で5割増の売上高になった。相乗効果で、野菜飲料全体も過去最高の960億円を記録した。
カゴメによると、12年の野菜飲料の市場規模は1678億円で、前年比1割増となった=グラフ。ブームによる特需だけに、一過性に終わるのではないかとの声も多いが、西秀訓社長は記者会見で「一過性ではなく、営業努力で継続することができている」と強調した。実際、今年2月の東京マラソンで3万6千個のトマトを無料配布したほか、トマトに含まれる成分を使った美容食品も発売。スポーツ愛好家や女性など新たな需要の掘り起こしにつながっているという。