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在日4世像に迫る…大阪の韓理恵さん
2013-04-24
今春、関西大学の卒業式に韓服で参席した韓理恵さん

アイデンティティー聞き取り
卒業論文に

 【大阪】在日4世の韓理恵さん(22、高槻市)は今春、関西大学社会学部を卒業した。卒業論文に選んだのは「在日コリアンと日本社会‐若者世代におけるアイデンティティー考察」。

 民族名の使用、韓国語の理解度、日本国籍取得の是非など24項目の質問を用意し、身近な友人や親戚など6人から聞き取り調査を行った。回答を通じて、おぼろげながら今を生きる在日4世像が浮かび上がってきたという。

 アイデンティティーについて、「悩むこと自体がアイデンティティーの形成につながるから、おもいきり悩んだらいい」「1人で悩むから良くない方向へいってしまう。在日の集団に加わって同世代の仲間と交わればよい」といった前向きなアドバイスが聞かれた。

 なかには「悩む必要のないことで思い悩むのは、悲劇のヒロインを演じるようなもの」と突き放した意見もあった。

 日本国籍取得については民族性の維持ではなく、手続き上の煩わしさを挙げる人もいた。

 「手間もかかるので、極力したくない」「全部の手続きが1日で済むのならば、まあ、してもいいかな」といった声も。

 韓流については、「メディアが無理矢理つくり出した陰謀が見え隠れする」と冷めた見方もあった。嫌韓についても、「筋が通った意見ならば受け入れる」という。

 韓さんは母方の祖母から自身の民族名を教えられ、小学校時代は高槻市の民族団体に関わり、民族楽器を叩いたりして歌を学んだ。大阪府立千里高校では第2外国語で「朝鮮語」を学んだ。ゼミの担当教授からは「1世や2世からも聞き取りがほしかった」と、指摘されたという。

 聞き取り調査を経て、「在日史や自身の民族名を知らない若者たちに直面し、自身の生まれ育った環境は、己のアイデンティティーを確立するうえで恵まれた環境であったこと。また、それが誰しもに与えられていない現状を改善していかねば、在日コリアンの若者が、真の意味で自身のアイデンティティーを確立することは、難しいのではないか」と語った。

(2013.4.24 民団新聞)
 

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