韓国の自動車部品メーカー、稼働率低下で危機

 ルノーサムスンの生産は、昨年に続き今年も前年同期比で30-40%落ち込み、政府に雇用維持支援金を申請するほどで、状況が悪化する下請け企業が続出した。下請け企業の経営者は先週、ルノーサムスンのフランソア・プロボ社長を釜山に招き、苦境を訴える懇談会を開いた。現代自の1次・2次下請け業者の代表団も18日、蔚山工場を訪ね、ムン・ヨンムン労組委員長と会談した。下請け会社代表団のイ・ヨンソプ会長は「今年に入り、売り上げが平均で15-20%落ち込んだ。現代自が夜間勤務をなくし、下請け企業も同じパターンで勤務体制を組んで雇用を確保したが、売り上げが減少し、経営が難しい」とし、特別勤務体制の再開を求めた。

■韓国は新興国で生産コスト最高

 専門家が国内外の新車需要減少、労働時間の見直しによる影響よりも根本的な脅威とみているのが、韓国の自動車生産競争力の低下だ。ゼネラルモーターズ(GM)のティム・リー新興国担当社長は今年2月に韓国を訪れ、労組と会談した席上「最近3年間で1台当たりの生産コストが30%以上増加し、人件費が『高コスト国家』並みになった」と指摘した。GMの新興国の生産拠点では、韓国の生産コストがオーストラリアを抜いたという。

 来韓したルノー・グループのカルロス・タバレス副会長も18日、記者懇談会で「(生産台数を減らさないと明言するなど)安心させてほしいという要請を受けるが、それよりも真実を話したい。重要なのは価格競争力だ。競争力さえ備えれば、中国という巨大な需要国がそばにあることが脅威ではなくチャンスになる」と指摘した。

■完成車3社の赤字深刻化も

 昨年そろって赤字を計上した韓国GM、ルノーサムスン、双竜自動車の3社は、このまま推移すれば、今年はさらに業績が悪化する懸念がある。韓国GMは昨年増収を果たしたが、賃金訴訟の費用などで3402億ウォン(約298億円)の赤字に転落。ルノーサムスンは1721億ウォン(約151億円)、双竜自は990億ウォン(約89億円)の営業損失を出した。現代・起亜自も海外の好調で昨年は12兆ウォン(約1兆500億円)に迫る営業利益を上げたが、今年は事情が完全に変わった。証券業界では、現代・起亜自の収益が今年第1四半期(1-3月)に10%近く減少するとみている。

 18日のソウル株式市場では、現代自の株価が1年半ぶりに18万ウォン(約1万5800円)台まで下落した。産業研究院主力産業チームのイ・ハング博士は「完成車メーカーがせきをすれば、部品メーカーはインフルエンザにかかる。苦しい状況の部品メーカーが破綻しないよう、政府による対策が求められる」と指摘した。

釜山・金海= 金垠廷(キム・ウンジョン)記者
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  • ▲韓国国内の完成車生産ラインでは、予想を上回る国内外の需要減少と生産性の低下により、海外工場に生産分を奪われ、遊休状態に陥るラインが出始めた。/写真=キム・ヨングン記者
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