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爆破テロで警察も活用 SNSの可能性は
4月24日 20時57分

爆破テロで警察も活用 SNSの可能性は

アメリカのボストンで発生した爆破テロ事件はツイッターなどのソーシャルメディアの情報に高い関心が集まりました。
一方で、無実の人が容疑者としてソーシャルメディアで騒がれメディアもそれを報じる事態も起きるなど、課題も投げかけました。

今回の事件でソーシャルメディアは、まず事件発生のおよそ2時間前、マラソンの最初のランナーがゴールしたころ、ボストンマラソンを巡るツイッターのつぶやきはおよそ4万2000件でしたが、事件発生直後にはその42倍の180万件にまで跳ね上がり、膨大な情報が生で飛び交う場となりました。
中でも特徴的だったのは、ボストン警察が、容疑者拘束の第一報を記者会見ではなく、ツイッターで発表したことが象徴するように、かつてなくソーシャルメディアを巻き込んだ、劇場型の捜査が展開されたことです。
ボストン警察やFBI=連邦捜査局は、ツイッターで容疑者の動画や写真を公開したほか、容疑者が逃走に使ったとみられる車のナンバーなども随時発信して、市民からの情報提供を求めました。
さらに容疑者が分かってからも、2人の兄弟がツイッターやユーチューブなどに残したさまざまな情報を使って、事件の動機や背景に迫る捜査が行われています。
また捜査当局は、捜査状況を逐一発信することで、市民の安全確保にも努めました。
例えば容疑者が逃走して隠れていた場所を警察が取り囲んだ際には「ウォータータウン地区のフランクリン通りで作戦を実施中。住民は家から出ないでください」とリアルタイムで発信しました。
一方で、例えば爆破テロの現場でけがをしたマラソン参加者の女性を手当てしている男性の写真を、地元の新聞が報じましたが、ソーシャルメディアではこの写真は、恋人がゴールした直後にプロポーズをするつもりだった男性が、恋人の死を悲しんでいる写真として出回りました。
事実は全く異なりました。
また、無実の人が容疑者としてソーシャルメディアで騒がれ、メディアもそれを報じるという事態も起こりました。
例えば、アメリカ東部の大学に通い、先月から行方が分からなくなっている22歳の男性が、公開された容疑者の1人と顔が似ているというだけで、ツイッターなどで容疑者扱いされ、実名や写真が飛び交い、家族が中傷を受けました。
ここまで来ると、深刻な人権侵害と言えます。
ソーシャルメディアは、政府から個人までさまざまな主体が発信者となっているだけに、情報の正確さを確認するのが難しく、誤った情報でも一度発信されれば、大変な速さで広まってしまう怖さがあります。
最近はスマートフォンの普及で、個人がその場で即座に情報を発信することがますます簡単になってきているだけに、報道機関だけでなく市民も、自分の発信した情報で誰かが傷つくことはないのか、ソーシャルメディアとのつきあい方を考える必要性に迫られているといえそうです。

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