尼崎脱線:忘れない「9時18分」…事故から8年

毎日新聞 2013年04月25日 11時16分(最終更新 04月25日 12時59分)

事故発生時刻に、事故現場を通過する快速電車=兵庫県尼崎市で2013年4月25日午前9時18分(代表撮影)
事故発生時刻に、事故現場を通過する快速電車=兵庫県尼崎市で2013年4月25日午前9時18分(代表撮影)

 兵庫県尼崎市で2005年4月、乗客106人と運転士が死亡、562人が負傷したJR福知山線脱線事故から25日で8年。遺族の悲しみは癒えることなく、後遺症に苦しむ負傷者も多い。JR西日本の歴代社長の刑事責任を追及する裁判や、再発防止と原因究明の取り組みは続いており、事故はまだ終わっていない。遺族らは事故現場や追悼慰霊式の会場で、悲惨な事故が繰り返されないよう願い、犠牲者の冥福を祈った。

 JR西主催の追悼慰霊式は午前9時すぎ、尼崎市総合文化センターで開始。遺族、負傷者、JR関係者ら約1000人が参列し、事故が発生した9時18分、黙とうをささげた。

 鶴保庸介・副国土交通相は「事故を風化させることなく、二度と事故を繰り返さないよう、鉄道事業者に輸送の安全確保についての自覚を促すとともに、国民が安心して公共交通機関を利用できるよう、全力で安全対策に取り組む」と述べた。昨年5月に就任したJR西の真鍋精志社長は「あらためて責任の重さを痛感している。安全の取り組みに終わりはない。努力を積み重ねていく」と誓った。

 また、事故で父親を亡くした男児が思いを話し、ピアノを演奏した。参列者によると男児は事故当時1歳。父親の記憶はないが、最近、ビデオで父親の姿を見て、「想像通り優しそうなお父さんでした」と話したという。遺族代表の慰霊のことばは、希望者がいなかったとして昨年に続き、行われなかった。

 事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された井手正敬、南谷昌二郎、垣内剛の歴代3社長は今年3月、それぞれ禁錮3年が求刑された。南谷、垣内両氏と、無罪が確定した山崎正夫元社長はこの日、事故現場で献花し、慰霊式に参加した。井手氏は姿を見せなかった。【山田毅、石戸諭】

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