東京港区にあるフィンランド大使館で迎えてくれたフィンたんは、大使館のツイッターからうまれたキャラクター。
デジタル外交 独自の進化!
フィンランド語と日本語が堪能な6歳の男の子という設定でライオンの着ぐるみを着ている。これはフィンランドの国の紋章に描かれたライオンにちなんでいる。
日本から遠く離れたフィンランド。フィンたんは、その暮らしや自然をツイートでグッと身近に引き寄せる。ある時はツイートで、フィンランド名物の「ベリー」や「サウナ」といった言葉をちりばめながらつぶやいた。さらに簡単なフィンランド語をひらがなで紹介。観光をアピールしたツイートのなかには、オーロラの雄大な風景が話題を呼び、人気を示すリツイートは、1700回以上に上った。フィンたんのツイートは若者たちの反響を呼び、フォロワーは9万人に届く勢いです。
フィンランドのグスタフソン大使は、独自のデジタル外交の成果に胸を張る。グスタフソン大使は「私たちの大使館のツイッターを フォローしてくれている人は、欧米を含め他のどの大使館よりも多い。 すばらしい成果」と話し、「これからフィンたんにどんなことを期待しますか」という質問には「今でもフィンたんは十分に頑張ってくれている。すっかり有名人ですからね」と話した。
この日、フィンたんが話題にしたのはフィンランドでは当たり前となっている「イクメン」。大使館員で2児の父でもあるコイヴマーさんの自宅で、ツイッターによるインタビュー。それぞれがツイッターを使ってつぶやく。フィンたんは、コイヴマーさんに「フィンランドの女性とイクメンの関係について教えて欲しい」と質問。コイヴマーさんは「男女平等を本気で考えているか女性を尊敬しているかによります。平等がなければイクメンも存在しません」と答えていた。
ツイッター上の会話に関心を示した人たちも参加。新たなつながりとともに、フィンランドへの親しみが広がっている。グスタフソン大使は「私たちはユルくて今風の全く新しい情報発信に成功した。私たちの国はみんなをひきつける素敵な話題にあふれているからこそ」と話す。
フィンランドの成功に続こうとする大使館もある。イスラエル大使館が目をつけたのがゆるキャラ。イスラエルの魅力を伝えるゆるキャラがいれば日本人の心をつかみ国のイメージアップにつながるのではないかと考えたのだ。大使館はフェイスブックなどを使って、ゆるキャラを募集。2か月余りで450もの作品が寄せられた。中にはイスラエル特産の果物・スウィーティーの「スーウィさん」や聖地エルサレムの旧市街にちなんだ「城壁ちゃん」などがあった。
ゆるキャラコンテストは話題となり、フェイスブックで「いいね!」ボタンが押された回数は4000と以前の2倍に。大使館はフェイスブックで投票を呼びかけゆるキャラの選考を進めています。イスラエル大使館の広報担当官は「日本の人たちはイスラエルのことを危険な国、紛争地と思いがちですが、そうではありません。だからこそ、日本のゆるキャラというポップカルチャーを使って、イスラエルにもっと関心を持ってもらいたいのです」と話す。
パロディーを売り物にしたネット動画を始めたのは、アフガニスタン大使館。お笑い番組で話題の体操のメロディーに合わせて踊る「アフガニスタン体操」を制作。日本の学生や留学生にも協力してもらい、月に一回、ビデオを制作。ユーチューブに投稿している。スマホで見られるよう短い時間に抑え、笑える内容にするのがポイント。
紛争やテロのイメージとは違う、アフガニスタンの多様な一面を知って欲しいと考えている。アフガニスタン大使館の広報担当官は「アフガニスタンのイメージを変えたい。これまで大使館に来てもらわなければ伝わらなかったことを、今は直接伝えることが出来る」と話す。
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