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美容医療HPを規制へ 施術前後の写真禁止

(2012年1月16日) 【中日新聞】【朝刊】【その他】 この記事を印刷する

厚労省、指針策定へ

美容クリニックの宣伝内容などに関する相談件数

 厚生労働省は、美容整形や脱毛、脂肪吸引などを行う医療機関を対象に、ホームページ(HP)での宣伝を規制する指針を、2012年度中に策定することを決めた。限られた成功例を強調する施術前後の写真や患者の体験談は、掲載を禁じる方針だ。

 医療機関の広告は医療法で厳しく制限され、雑誌広告などは現状でもこうした表現が禁止されているが、HPは対象外。美容クリニックなどのHPを見て訪れた患者が高額な費用を請求されたり、施術結果が不本意だったりといったトラブルが増え、厚労省はルールが必要と判断した。

 優れた医療機関と誤認させる「ナンバーワン」「芸能プロと提携」などの文言や、「キャンペーン中で今だけ90%オフ」のような費用の安さを過度に強調する表現も禁止する方向だ。

 国民生活センターによると、美容クリニックの宣伝内容などをめぐる相談は、05年度は432件だったが、10年度には759件に増えた。

 厚労省によると、HPは患者が知りたい内容を自分で検索するなどして閲覧するため、医療法で規制する「広告」とは見なさない運用をしている。

 同省は医療法上の広告にHPを含めることも検討したが、既にある多数のHPを一律に法規制するのは難しく患者が必要な情報を得られなくなるデメリットも大きいと判断。当面は法的な強制力や罰則のない指針で、医療機関の自主的取り組みを促すことにした。

 指針では、術後の痛みや副作用、必ずしも期待通りの効果がない場合があることなど、リスクも知らせるよう求める。

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