ハッキング:APに 「米大統領けが」偽情報配信
毎日新聞 2013年04月24日 東京夕刊
【ワシントン白戸圭一】「ホワイトハウスで爆発があり、オバマ米大統領が負傷した」との虚偽情報が23日午後1時(日本時間24日午前2時)ごろ、AP通信の短文投稿サイト「ツイッター」から配信され、米株式相場が一時急落するなどの騒ぎになった。AP通信によると、同社のツイッターのアカウントがハッカーに攻撃されたためで、AP通信はアカウントを閉鎖した。
AP通信によると、ツイッターには「ホワイトハウスで2度の爆発。オバマ大統領が負傷」との虚偽の書き込みがあった。虚偽情報が流される前、犯人はAP通信記者のツイッターのパスワードを繰り返し盗もうとしていた。「シリア電子軍」を名乗るハッカー集団が同日、犯行声明を出した。
「シリア電子軍」は自らについてシリアのアサド政権を支持する組織と宣伝している。今月20日に米CBSテレビの報道番組「60ミニッツ」のツイッターアカウントに侵入し、米政府がボストン・マラソン連続爆破テロ事件の「真犯人を隠している」などとメッセージを流した。英BBC放送などのツイッターに侵入したこともあり、米英の捜査当局がサイバー攻撃として捜査している。
◇NY株、一時急落
カーニー米大統領報道官は23日午後の記者会見で、大統領が無事であることを強調したが、虚偽情報が流れた直後のニューヨーク株式市場では売り注文が殺到し、ダウ工業株30種平均が約150ドル急落。外国為替市場ではドル売りが相次ぎ、1ドル=99円25銭付近から98円60銭付近まで円相場が急騰した。すぐに情報が虚偽と判明し、両市場ともに元の水準に戻った。