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【大リーグ】

イチロー、意地の決勝2点適時打 8回には好走、足でも魅せた

2013年4月25日 紙面から

◆ヤンキース4−3レイズ

 【セントピーターズバーグ穐村賢】イチローついに覚醒!! ヤンキースのイチロー外野手(39)は23日(日本時間24日)、敵地でのレイズ戦に8番右翼で先発出場。9回2死満塁で決勝の2点適時打を中前にはじき返すなど、4打数2安打2打点の活躍でチームを勝利に導いた。8回には右前安打&好走塁で試合を振り出しに戻す働き。打って、走って、また打って−。イチローが久々に躍動し、本来の輝きを放った。

 2−2の9回2死満塁で巡ってきた第4打席。マウンド上にはリーグを代表する剛腕クローザーのロドニー。自然と闘争心がかき立てられた。

 その初球、真ん中外寄り、やや高めの99マイル(約159キロ)のツーシームを強振すると、打球は中前に糸を引いた。三走カノに続いて二走ハフナーも生還。勝ち越しの2点適時打に一塁ベース上のイチローの表情もどこか誇らしげだった。

 「説明するまでもないですけど、きっかけはいつも探している。何でもいいんですけど、こういうこと(9回の好機に結果を出すこと)が大きなこと。力にしないといけないなと思っている」

 シーズン序盤とはいえ、打率1割を切ったこともある。相手先発が左投手などを理由に消化20試合未満で代打も守備固めもない“完全休養”は2試合にも及んだ。ジラルディ監督は「適度に休養を与えて常にフレッシュな状態でいてほしい」などと気遣いを見せるが、額面通りには受け取れなかった。“結果”さえ出していれば…。言葉にこそ出さなかったが、じくじたる思いを抱え、ベンチで試合を傍観したこともあっただけに、珍しく思いがあふれた。

 1点を追う8回には自慢の足で魅せた。“初顔合わせ”となった昨季のサイ・ヤング賞左腕プライスから右前打を放つと、次打者の2球目にスタート。ニックスの放った左前打は三遊間を速い球足で抜ける当たりだったが、イチローはためらうことなく二塁を蹴り、三塁を陥れた。

 「三塁に行くかどうかは感覚のプレーなので、僕が行けると思えば行く。まあ想定通り」。次打者ガードナーは鈍い二ゴロ。二塁止まりだったら、本塁生還もかなわなかっただけに、ジラルディ監督も「素晴らしいスタート。ああいう走塁を選手たちにやってほしい」と手放しで喜んだ。

 「今日みたいな日が偶然降ってきたわけではない。それは自分でつかむもの」とイチロー。“冷や飯”を食わされても日々、努力を怠らず、自分が今できることに磨きをかけてきた。“野球の神様”はそんな男に優しかった。

 ジラルディ監督が「一度調子をつかむと手が付けられなくなる」と評した安打製造機。指揮官の信頼回復につながる殊勲の一打をきっかけに、本領を発揮し始めるかもしれない。

 

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