著作権の延長は有害無益だ
2006-12-09
カテゴリー： Law/Politics
著作権保護期間の延長問題を考える国民会議が、11日にシンポジウムを開くそうだ。私のところにもお誘いが来たが、お断りした。著作権の延長に賛成だからではない。逆に延長が有害無益であることは自明であり、今さら「国民的な議論」をする必要なんかないからだ。延長派の人々は論理的な根拠にもとづいて主張しているのではなく、既得権を拡大しようとしているだけなので、彼らを説得するのは無駄である。
このあたりの基本的な論理が、延長反対派の人々にも理解されていないようだ。「国民会議」の発起人のひとりである田中辰雄氏は、「延長の効果についての調査は行われていないので、これからやろう」などととぼけたことを言っているが、以前にも紹介したミッキーマウス訴訟の意見書でも明らかなように、経済学では著作権の延長が有害無益であることは100％のコンセンサスである。これは「著作者の権利と消費者の権利にはトレードオフがある」という一般論ではなく、著作者の保護はすでに過剰なので、これ以上強化することは害しかないのである。
具体的にみてみよう。PCJapanのコラムにも書いたように、平均的な著者（たとえば私）の得る印税の割引現在価値は、年利5％と仮定すると、死後50年から70年に延長しても約1.7％(*)しか増えない。しかも50年後に印税が発生しているような古典の著者は1％もいないだろう。したがって社会全体では、延長によるインセンティヴの増加は1/10000以下であり、これが創作活動を高める効果は考えられない。過去の作品の複製や、それを利用した創作が禁止されることによる社会的な損失のほうがはるかに大きい。
延長によって利益を得るのは本源的な著作者ではなく、いま過去の作品の版権をもっている出版社やレコード会社などの流通業者である。たとえば「ローマの休日」の版権を20年延長することで、彼らは500円の廉価版を禁止し、4000円以上の「正式版」を売りつけることができる。この差額の3500円が彼らの独占利潤だが、これは創作のインセンティヴにはならない。したがって「文化を守るために出版社などの権利も強化すべきだ」というのは誤りである。彼らの収益構造は通常の流通業と同じであり、特別扱いする必要はない。
著作者に複製禁止権を認めるのは、彼らが媒体の所有権をもっていないため、作品が自由に複製されると、創作への投資（固定費）が回収できなくなるからだ。複製を禁止して独占価格を設定することで、固定費を回収できるようにしているのである。しかし流通業者の投資は物的な媒体の所有権で守られているので、固定費を乗せた価格をつければ通常の売買で回収できる。500円の廉価版でもDVDをプレスする費用はカバーしており、著作権が切れても流通業者は利益を上げることができるのだ。
要するに、流通業者に独占権を認めることは、競争を制限する弊害があるだけで、創作への投資を促進する効果はない。したがって、その独占権を延長することはなおさら望ましくない。肖像権やプライバシー権の類も、それを認めることによるインセンティヴ効果はなく、表現の自由を阻害するだけなので、認めるべきではない。この「国民会議」も、こうした権利のインフレに歯止めをかけるなど、テーマを広げたほうがいいのではないか。
(*)「1.5％ぐらい」という表現はアバウトなので、修正した。著者（私）があと25年（平均寿命まで）生き、その死後50年まで（つまり75年間）一定の印税を得るとする。年利5％とすると、その割引現在価値は
74
Σ1/1.05n
n=0
この答をAとし、同じ式で74を94にした答をBとすると、B/A=1.0173となる。
追記：イギリスでは、ポール・マッカートニー、サイモン・ラトルなど4000人の音楽家が著作権の延長を求める意見広告をFTに出した。レッシグも指摘するように、この名簿には死んだ音楽家まで含まれており、レコード会社がつくったものであることは明白だ。これはもう力と力の対決である。「みんなで考えよう」などと中立を装っている場合ではない。
このあたりの基本的な論理が、延長反対派の人々にも理解されていないようだ。「国民会議」の発起人のひとりである田中辰雄氏は、「延長の効果についての調査は行われていないので、これからやろう」などととぼけたことを言っているが、以前にも紹介したミッキーマウス訴訟の意見書でも明らかなように、経済学では著作権の延長が有害無益であることは100％のコンセンサスである。これは「著作者の権利と消費者の権利にはトレードオフがある」という一般論ではなく、著作者の保護はすでに過剰なので、これ以上強化することは害しかないのである。
具体的にみてみよう。PCJapanのコラムにも書いたように、平均的な著者（たとえば私）の得る印税の割引現在価値は、年利5％と仮定すると、死後50年から70年に延長しても約1.7％(*)しか増えない。しかも50年後に印税が発生しているような古典の著者は1％もいないだろう。したがって社会全体では、延長によるインセンティヴの増加は1/10000以下であり、これが創作活動を高める効果は考えられない。過去の作品の複製や、それを利用した創作が禁止されることによる社会的な損失のほうがはるかに大きい。
延長によって利益を得るのは本源的な著作者ではなく、いま過去の作品の版権をもっている出版社やレコード会社などの流通業者である。たとえば「ローマの休日」の版権を20年延長することで、彼らは500円の廉価版を禁止し、4000円以上の「正式版」を売りつけることができる。この差額の3500円が彼らの独占利潤だが、これは創作のインセンティヴにはならない。したがって「文化を守るために出版社などの権利も強化すべきだ」というのは誤りである。彼らの収益構造は通常の流通業と同じであり、特別扱いする必要はない。
著作者に複製禁止権を認めるのは、彼らが媒体の所有権をもっていないため、作品が自由に複製されると、創作への投資（固定費）が回収できなくなるからだ。複製を禁止して独占価格を設定することで、固定費を回収できるようにしているのである。しかし流通業者の投資は物的な媒体の所有権で守られているので、固定費を乗せた価格をつければ通常の売買で回収できる。500円の廉価版でもDVDをプレスする費用はカバーしており、著作権が切れても流通業者は利益を上げることができるのだ。
要するに、流通業者に独占権を認めることは、競争を制限する弊害があるだけで、創作への投資を促進する効果はない。したがって、その独占権を延長することはなおさら望ましくない。肖像権やプライバシー権の類も、それを認めることによるインセンティヴ効果はなく、表現の自由を阻害するだけなので、認めるべきではない。この「国民会議」も、こうした権利のインフレに歯止めをかけるなど、テーマを広げたほうがいいのではないか。
(*)「1.5％ぐらい」という表現はアバウトなので、修正した。著者（私）があと25年（平均寿命まで）生き、その死後50年まで（つまり75年間）一定の印税を得るとする。年利5％とすると、その割引現在価値は
74
Σ1/1.05n
n=0
この答をAとし、同じ式で74を94にした答をBとすると、B/A=1.0173となる。
追記：イギリスでは、ポール・マッカートニー、サイモン・ラトルなど4000人の音楽家が著作権の延長を求める意見広告をFTに出した。レッシグも指摘するように、この名簿には死んだ音楽家まで含まれており、レコード会社がつくったものであることは明白だ。これはもう力と力の対決である。「みんなで考えよう」などと中立を装っている場合ではない。
池田さん
もしミッキーマウス訴訟で負けた理由をご存知でしたら教えて下さい。
経済学者の分析結果が無視されたのか、
仮に1.5％でもプラスだから延長されたのか、
あるいは他の政治的理由なんでしょうか？
もともと著作権の延長が憲法違反だという訴訟が無理筋でした。下級審でも連敗だったから、連邦最高裁で口頭弁論が開かれたことにレッシグも驚いていたぐらいです。
裁判官は経済学には興味がないので、違憲判決を引き出すには法律そのものの瑕疵を指摘する必要があります。原告側は、95年というのは著作権の保護を「有限期間」にかぎる憲法の規定を逸脱していると主張しましたが、まぁ95年も有限は有限ですよね。ゼロ敗ではなく7-2に持ち込んだのは、むしろ善戦でした。
この問題は以前にも紹介されていましたので興味を持っていました。
でも、50年後から70年後までの受け取る印税が初年度から50年後まで受け取る金額の1.5%という計算が良くわかりません。
私が試算したら、金利5%の場合は１年ごとの複利法で5.95%ほど、半年ごとの複利法にしても5.8%くらいです。
69 n 49 n
Σ1/(1+α） / Σ1/(1+α）
n=50 n=0
上式で計算してみましたが、どこか誤っているのかな。
まぁ、毎年同じ金額を得るという前提が無理なんですが。
それと「利益を得るのは著作者ではなく流通業者である」と結論していますが、著作者と流通業者との契約内容に依存するわけで、これが事実なら50年後に限らず現在でも同じ事が言えますね。
「1.5％ぐらい」という表現は大ざっぱすぎたので、修正しました。計算は追記に書いたとおりです。
現在でも、流通業者に許諾権を与えるべきでないのは同じです。特に日本では、著作権は出版社に完全に譲渡されず、著者に複製禁止権が残るので、二重に許諾することになります。
失礼しました。あと25年生きるのを忘れていました。ｗ
あとスペースを並べると短縮されてしまい、見る人が見ないと意味不明になりますね。
（プレビュー機能が欲しい…）
しかし、この論法は未来の価値を現在価値に換算するライプニッツ係数そのものですよね。
交通事故の損害賠償などで将来の逸失利益の計算に使われていますが、金利を法定金利固定としていること、インフレなどを考慮していないことなどで批判されております。
最近、最高裁で確定したので仕方ないとは思いますが、あくまでも損害賠償の場合ですね。
価格に対し一定の比率で印税を受け取ると仮定すれば、どの様なハイパーインフレが起ころうとその時の価値で相続人が受け取れるわけですから、これは創作意欲のインセンティヴに十分成り得ると思いますけど…
許諾権のあり方については問題が多かろうと思いますが、これをもって保護期間延長反対と関連づけるのは些か無理なような気がします。
「過去の作品の複製や、それを利用した創作が禁止されることによる社会的な損失のほうがはるかに大きい」との部分もやや違和感を伴います。
その前段で、50年後に著作権料が発生している著者は1%に満たないとして計算していることは、大半の作品が50年後には利用されないことを意味しています。
しかし、その利用されない作品に対して複製や二次利用ができないから社会的損失だとするのは矛盾では無いですか？
考えようによっては、いくら保護期間を延長しようとどうせ利用しないのですから全く問題ないですね。
p.s 計算式の解説有り難うございます。それでも微妙に0.1%ほど誤差があるのですが、本筋では無いので割愛します。
>しかし、その利用されない作品に対して複製や二次利用ができないから社会的損失だとするのは矛盾では無いですか？
古典として通用しない作品でも、パブリックドメインになれば再利用の余地はたくさんあるし、個別に権利処理する必要がなくなれば、流通コストは大幅に下がります。ごく一部の古典の著者の権利を守るために、すべての著作物に許諾が要求される（結果として利用されない）ことが問題なのです。
>古典として通用しない作品でも、パブリックドメインになれば再利用の余地はたくさんあるし、
ならば古典として通用する作品がパブリックドメインになれば、更に再利用の価値がありますね。
そもそも著作物の再利用というのが良くわかりません。
財産権としての著作権が切れたとしても人格権は永久に残るわけですから、再利用可能としても何らかの影響は残るでしょう。
DVDや小説が誰でも複製し販売できることを指すのでしたら、その様な価値が存在することになりますから相応に許諾を得れば良いだけです。
問題は独占権ということに落ち着くんでしょうけど、先にも言いましたように許諾権のあり方が問われるだけで、保護期間延長とはあまり関係ありません。
>個別に権利処理する必要がなくなれば、流通コストは大幅に下がります。
権利処理の問題と保護期間延長の問題は切り離して議論すべきです。
現在でもIP放送などでは権利処理が大きな問題となっていますので、むしろ放送や音楽のように如何に権利処理をスムーズに行うかが問われるのでは無いでしょうか。
>ごく一部の古典の著者の権利を守るために、すべての著作物に許諾が要求される（結果として利用されない）ことが問題なのです。
逆説で言えば、殆どの無価値な著作物のために極一部の有用な著作物の権利まで犠牲にしようということですよね。
これも保護期間延長の議論とは関係ないと思います。
私も保護期間延長には反対です。その理由は単に長すぎると思うからです。
池田先生の論旨は経済学的見地からだと思われますが、経済学など全く分からない者がどこか変だと思ってコメントした戯れ言だと思っていただいて結構です。
取りあえず、ここでのコメントはこれで終わりにします。
追記に書きましたが、ちょうどイギリスでは、政府の諮問委員会が著作権を死後50年のままに据え置くという報告を出しました。これに音楽家が反発して大規模な請願を出し、それに対してOpen Rights Groupなどが「これは音楽産業が動員したものだ」と批判しています。
今回の「国民会議」は、この情勢からみると戦術的に失敗といわざるをえない。無理して中立を装ったため、今後も「延長に反対だ」という声明は出しにくい。「国民的議論」で時間を空費しているうちに、延長派のほうは政府に圧力をかけて既成事実をつくるでしょう。どこかで衣替えしてORGやEFFのように主張の明確な組織にしたほうがいいと思います。
私も長すぎるという感覚的理由から、延長には反対なのですが、
> 経済学では著作権の延長が有害無益であることは100％のコンセンサス
これは疑問です。（別に経済学者に対抗心を持っているわけではありません）
そうであれば、著作権の短縮が有益無害ということでしょうか。であればピークは何年なのでしょう。
たとえば、池田さんが示された印税計算での比較だけでは、映画のような制作費のかかる著作物への適用が難しい気がします。極端に考えると保護期間が「5年の国」と「50年の国」とで比較した場合（その他の条件はすべて同一）、「50年の国」の方が長期的な収入に期待できるため、映画会社は制作費に大きく投資でき、クリエイターもそちらを好む。その結果「50年の国」に才能あるクリエイターが集まる、という理屈はあるように思います。
サイモン・ラトル氏までもが…。
そうなんですか。
結局のところ、著作権の問題というのは、エスタブリッシュと非エスタブリッシュの戦いでしかない。
先日、テレビで有名作曲家のビートルズのメドレー曲をオーケストラがやっていましたが、このようなことを素人がやろうとして出来るのかどうか、はなはだ疑問です。
きっと、入場料をとったコンサートやCDを焼いて仲間内に売るなどということはできないでしょう。
☆
その一方で、テレビではブランケットと称して、音楽は使い放題。
バラエティーなどでは、ほんのちょっとのかかわりから、古い曲から新しい曲まで使い放題です。
そのようなつまみ食い的な利用を、著作権者たちが喜んでいるはずはありません。
そういうテレビを毎日見ている無名氏たちに著作権についての厳密な遵法精神が育まれるはずはない。
まず、その状況を変えてから、メディア関係者は音楽著作権について語るべきです。
でなければ、著作権問題は、エスタブリッシュたちのご都合主義でしかないのです。
「延長が有害無益」というのは、現在の期間から延長することが有害無益だということです。最適な保護期間については学問的な議論もありますが、立法的に可能な方法としては、初期の15年に戻し、著者から申告があれば有料で15年ごとに延長するというレッシグなどの提案している方式が現実的でしょう。
＞最適な保護期間については学問的な議論もありますが、立法的に可能な方法としては、初期の15年に戻し、
＞著者から申告があれば有料で15年ごとに延長するというレッシグなどの提案している方式が現実的でしょう。
この考え方には大賛成です。
現状は、著作者自身の著作権保護のためのコストをユーザーが負担しているようにしか感じられません。
著作権者は、利権を持つ人または団体に対して回収コストを委託し、その利権者はそのコストと流通コストと利益をゴチャマゼにして、最終消費者に著作物を提供しているように感じます。
著作権者が本当に30年後も50年後も100年後も自身の権利を守りたければ、自身でそのコストを負担し委託すれば良いのだ。権利延長しなければ・・・権利消滅でいいのではと思います。例えば10年延長で100万円とか？（金額がいくらが妥当かは全くわかりません）
コメントありがとうございます。
自分でも計算してみましたが、「25年生存＋死後15年＝40年」対「25年生存＋死後70年＝95年」でも15%程度の違いですね。無視できる差とは言いませんが、たいした違いじゃないですね。ただ、映画のように発表時点から起算するものでは「15年」対「70年」では86%の差になりますね。「50年」対「70年」では5%差。20億ドル稼いだ『タイタニック』なら1億ドル違いますね:-) 実際には、一定の印税を得続けられることはほとんどないでしょうが。
15年ごとに延長というのは、特許と同じような考え方ですね。出典がわかりませんでしたが、「死後」ではなく「発表時点」起算なのでしょうか。財産権を持ち続けたいなら（財産的価値があるなら）お金を払うのは当然という考えはあるでしょうが、個人レベルの著作者にとって財産権を維持するために、特許のように世界中で登録料を支払い続けるのは大変そうですね。一方の大手メディア企業は登録料を払い続ける気がします。
件のシンポジウムが開かれたようですが、予想どおり不毛な議論の応酬です：
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2006/12/11/14206.html
三田誠広氏は「創作者が早世して、奥さんが長生きだった場合を考えると、50年では、奥さんが生きている間に切れてしまうおそれがある」という。So what? 奥さんに創作のインセンティブがあるのか？
漠然と「関係者みんなに報酬が行き渡るべきだ」と思っている人が多いが、問題は分配の公平ではなく、創作のインセンティブを高めるかどうかなのです。家族や流通業者への分配も、それが著作者のインセンティブにどう影響するかという観点からのみ考えるべきで、死後50年と70年には有意な違いはない。
三田氏のようなバカが、著作者の代表のような顔をするのは僭越です。私も9冊の本を書いた著者だが、死後50年どころか、発表後5年で著作権が切れてもいいと思う。その代わり、もっと印税を増やしてほしい。
> その代わり、もっと印税を増やしてほしい。
出ましたね、本質 :-)
先の計算をした後で、某所で書こうと思っていたのですが、発表年起算の50年と70年で考えた場合、今より5%多く印税を払うようにするだけで著作者にとって延長を求める理由は（金銭的には）なくなります（印税が10%なら、15%ではなく10.5%にするだけ）。まあ、現実はそんな単純なものではないわけですが、残された家族のことを考えてという話なら、著作者にとっては著作権料を「長期にわたって」受ける代わりに「短期に多く」受けられるようにしても同じです。税金のかかり方は変わりますが、財産として価値のある著作物があるなら税金をかけるべきでしょう:-)
私は企業が利益を追求する（増やそうとする）こと自体は普通のことだと思うので、企業が経営の安定を求めるために保護延長を訴えることはおかしくないと思いますが、上記のように考えると保護期間の延長を著作者の利益として訴えようとするのは問題のすりかえという気がします。すりかえないと主張が通らないという現実はあるかもしれません。
あと、延長が実現して利益に貢献しそうなのは期限切れしそうな「過去の作品」だけで、たとえば映画なら、��現在”作られているものは公開直後から数年後まで段階的な値下げを含めて利益を最大化するプロセスが確立されていそうです。要するに��過去”に作った「ミッキーマウス」を守りたい:-)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0612/12/news063.html
有限会社デジタルインフラの岡島と申します。池田さんのセミナーには頻繁に出席させていただいております。
月曜日の著作権のシンポジウムのほう、池田さんは出席しなかったようなので、出席した私が代わりに少し報告します。
上述のITmediaの記事にあるように、講演者唯一の延長賛成派と目される、松本、三田両氏も、どうも、著作財産権の延長に関してはあまり関心がないようです。両氏とも、「創作意欲の源泉はカネではない」と言い切っていました。
極論すれば、それこそ、池田さんの言う、「発表後5年で著作（財産）権が切れてもいいと思う。その代わり、もっと印税を増やしてほしい。」といったのでもOKといった感じでした。
むしろ、どうも、両名とも、著作財産権ではなく、著作人格権的なものに関心があるようです。
が、しかし、問題は何かというと、これは、聴衆側の連中もそうだったのですが、どうも、クリエーター系の人間は、このあたりの経済学、法律学的考察にあまり興味がないようで、「カネはいらない。にじりようも大いにやってもらって結構。が、権利はいる。権利がなくなるのは、私の創作努力をないがしろにする行為で、到底許されない」といった、心情的には理解できても、経済学、法律学的にはよくわからない意見が主流だったように思います。
ようは、これは、著作財産権と著作人格権の区別がついていないことから起こる齟齬ではないかと考えられ、このあたりの区別をつけたうえで、じっくりと話し合えば、意外と簡単に解決する問題かもしれません。
このあたり、池田さんは何らかの方策をお持ちではないでしょうか？
ぜひ、期待しております。
ご苦労様でした。要するに、延長する側に論理なんかないのですよ。三田氏や松本氏は、企業の意向を代弁するダミーにすぎません。何の力もないので、彼らを説得してもしょうがない。
延長によって明らかに利益を得るのは、いま古い作品をもっている出版社やレコード会社、それにJASRACなどの寄生虫です。だから彼らがいかに文科省と癒着しているかを暴くとか、JASRACに天下っている文科省のOBをたたくとか、彼らのいやがることをしないと意味がない。必要なのは、議論ではなく行動です。
＞それにJASRACなどの寄生虫です。だから彼らがいかに文科省と癒着しているかを暴くとか、
＞JASRACに天下っている文科省のOBをたたくとか、彼らのいやがることをしないと意味がない。
JASRACって文部科学省の天下り先だったのですね？
著作権を大義名分に寄生するヤカラということです。
今まで著作者の権利を守ることが良いことだと思い込んでいたが、とんでもない話ですね。
貧困にあえぐ海外の子供たちの命を救おうという活動に賛成して寄付をしたものの、その大半が団体の活動資金に消費され、飲み食いされてしまうような感覚ですね。
彼らの活動資金は、著作権保護の号令のもと、消費者が支払っている。消費者を騙しているようなものです。こういうヤツラのために期間を延長したりする法法改正はやっぱりおかしいですよね。
岡島です。
池田様、早速のコメント、ありがとうございます。
池田さんの主張、すなわち、松本、三田両氏はダミーで、問題はバックの勢力である、というのは、それがどのような「勢力」であるかを別にすれば、ある程度正しいかもしれません。
が、世間的には、この両氏がメインなわけですし、そういった世間の見方というのは、法案の行方に対し、非常に重要ではないでしょうか。
具体的にいえば、すくなくとも、著作財産権の延長に対し、この二人を「転向」させることはできないのでしょうか。
この二人が転向すれば、とりあえず今回の延長騒動は霧散すると思いますし、それが最も現実的な「行動」だとおもいます。
わたしには、創作意欲の源泉は金銭ではない、と言い切りながら、著作人格権だけではなく、著作財産権までもの延長を求めるのは、いまいち理解できないのですが・・・。
なお、前の私の投稿で、「にじりよう」となっているのは、「二次利用」の変換ミスです。申し訳ありません。
教育基本法や防衛省昇格に紛れて目立ちませんが、著作権法改正案も可決成立した模様です。
報道によればIP放送にもCATV並の著作権処理でOKになったとのことですが、文化庁のサイトを見ても載っていなく詳細が良くわかりません。
何方か解説して頂ければ幸いです。