我が世の春を謳歌 麻生太郎 足元は“生活保護地獄”の惨状
【政治・経済】
G20後の講演では「アイ・アム・バック・トゥー」(私も戻ってきた)なんて軽口をたたいていた。いまやメディアから「デフレ脱却のキーマン」などと持ち上げられ、完全に有頂天だ。米紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューには、〈安倍首相が経済への集中姿勢を失うことを懸念している〉とかエラソーに答えていた。
21日には堂々と靖国神社を参拝。我が世の春を謳歌しているが、麻生の“足元”はと言えば、ヒドイものだ。地元の福岡県飯塚市のことだ。
「飯塚の炭鉱からスタートした“麻生財閥”は、いまや医療や教育分野にまで経営を拡大し、一大企業グループを築いています。その中核『麻生セメント』の社長で、麻生副総理の弟・泰氏は、きのう、九州財界トップの九経連会長に就任することがほぼ決まった。九電出身者以外では初めてです。しかし、その一方で、飯塚市の生活保護率は全国トップクラスで、毎年、すごい勢いで受給者数が増え続けています」(地元政界関係者)
今年1月の飯塚市の生活保護世帯は4646世帯に上る。市の総世帯数が6万弱だから、12世帯に1世帯が生活保護を受けている計算だ。
麻生が首相に就任した5年前と比較すると、受給者数は600人近くも増加している。
生活保護費の総額も増え続けていて、08年度の決算額90億円に対し、11年度は102億円と大台に乗った。12年度の最終予算額は108億円。雪だるま式に膨れ上がっているのだ。
「飯塚市では生活保護受給者数が増えすぎて職員の人手が足りなくなっています。そこで、昨年から『生活保護ケースワーカー』を募集し、生活保護世帯の対応に当たらせています。1ワーカーにつき約80世帯を任されますが、生活保護受給者にもいろんな人がいるから大変な仕事です。彼らも不安定な非常勤嘱託職員で、月給16万円のワーキングプア。飯塚市はこの国の格差社会の縮図ですよ」(前出の関係者)
庶民の暮らしを知らない麻生には、自分の足元は見えないか……。