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クレーン車事故 母親責任も認め賠償命じる
4月24日 17時23分

おととし、栃木県鹿沼市で小学生の列にクレーン車が突っ込み6人が死亡した事故で、遺族が元運転手や母親などに損害賠償を求めた裁判で、宇都宮地方裁判所は母親の責任も認め、連帯しておよそ1億2500万円を支払うよう命じました。

この事故はおととし4月、栃木県鹿沼市で登校中の小学生の列にクレーン車が突っ込み、児童6人が死亡したもので、元運転手の柴田将人受刑者(28)は刑事裁判で持病のてんかんを隠して免許を取り、発作で事故を起こしたとして、懲役7年の刑が確定しています。
児童の遺族は、元運転手や母親、それに勤めていた会社に合わせて3億8000万円余りの損害賠償を求めていました。
裁判では、母親側が、元運転手は成人で運転を制止する義務はなかったと主張していました。
24日の判決で、宇都宮地方裁判所の岩坪朗彦裁判長は、「母親は過去に元運転手が事故を起こしたあとも自動車を買い与えたほか、元運転手を診察した医師に対して車の運転をしていないとうそをつくなどしていた」と指摘しました。
そのうえで、「母親は元運転手の病気を知っていたのだから、事故の当日、病気や薬を飲んでいないことを会社に通報するべきだったのに通報しなったことは違法性がある。また、会社も元運転手を雇用していた責任がある」などと述べ、母親の責任も認め、元運転手や会社と連帯しておよそ1億2500万円を支払うよう命じました。

「母親の責任があいまい」

今回の判決について、元運転手の母親の弁護士は「母親の責任の根拠があいまいな判決だ。これでは別居して何もしないほうがいいとなりかねない。家族の情でいろいろとやってしまうと責任を負わされることになる」と話していました。

判決にはおおむね納得

事故で亡くなった6人の児童の遺族が宇都宮市の栃木県庁で会見を開き、このうち、息子の卓馬くん(当時11)を亡くした大森利夫さんは、「母親の責任も重大だということを裁判所が認めてくれたので、判決にはおおむね納得している。卓馬にはきょうの判決の内容を報告したい。この判決が今後の事故の抑止につながってほしい」と話していました。

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