横浜市瀬谷区の堀病院で平成21年9月、病院の不適切な措置が原因で分娩(ぶんべん)手術後に中島里加さん=当時(39)=が死亡したとして、遺族が23日、同病院を運営する医療法人に約7500万円の損害賠償を求めて横浜地裁に提訴した。
訴状によると、中島さんは堀病院で21年9月18日に手術を受け、医師が腹部を押して出産を促す「クリステレル胎児圧出法」により次女を出産。直後に激しい腹痛などを訴えて別の病院に搬送されたが死亡した。
司法解剖の結果、死因は肝臓破裂による失血死と判明。遺族側は危険性も指摘されていた圧出法で肝臓を損傷し、出血性ショックとなった際、堀病院の医師が診断・治療を怠ったため死亡につながったと主張している。
中島さんの夫(42)は提訴後、「責任がないと思っているかのような病院側の対応は許せない。次女は母親のことを全く知らない。娘が大きくなり出産するときに、そういうことがないよう再発防止を」と訴えた。堀病院は「訴状を見ていないのでコメントできない」としている。
この問題では、神奈川県警が業務上過失致死の疑いもあるとみて捜査している。