有限会社笑う介護士 会社訪問2

キャリエール
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キャリエールコラム

会社訪問

「笑う介護士」 第二回目は袖山卓也さんのインタビューです。無資格未経験の集団を日本一の介護集団に育てあげた袖山さんの介護への考え方などをお送りします。

介護

無資格未経験ということ

私は、無資格未経験の集団を日本一の介護集団にしたからといって、それを推奨している訳ではありません。介護においては知識や資格以上に大事なことがあるということなのです。
ご高齢者が求めているのは、知識なんかではないのです。
皆さんは自分が身体のケアを受ける場合、最初に相手の保有資格や学歴を聞きますか。そんなことを聞くよりも、きっと体を任せても安心な人かどうかを、会話や接し方の中で判断するのではないでしょうか。
つまりは「信頼」−これに尽きるということです。
もちろん学校や資格試験の勉強で培った知識は大事ですよ。でもお世話をさせて頂く高齢者からの信頼を得られずに知識だけあっても本当の介護はできません。介護に従事する人の条件は、第一に信頼される人、次に自分がそうされたいと思うことを当然のこととして実行できる人です。これが介護者としての入り口だと考えています。知識はその上にあって初めて生きてくるのです。



袖山卓也

人生に寄り添っていきたい


友人の死がきっかけでした。
人が寿命を全うできるようにしたいと考えて、最初は医療の世界に飛び込みました。でも医療はケガや病気を治すことが目的であって「人」そのもの、もっと言えば「人生」というものを対象にしていません。若い人の場合は本来の目的だけでも良いのでしょう。
治りさえすれば次への飛躍もあるでしょうから。
しかし、ご高齢者の場合は「治す」という医療行為よりも寧ろ        見学者に施設の説明をする袖山さん   「心豊かに、安らかに」自分の寿命を全うすることの方が、より
大切なことだということに気づきました。それが高齢者福祉へ進んだ理由です。
「寿命を全うできるまで、その人そのものの人生に寄り添っていきたい」−そう考えています。


笑う介護士

「笑う」にこだわる


「笑う」ってどんなときですか。

知らない人に囲まれ、慣れない不安な場所ではきっと笑えないでしょう。人は笑うとき、とりわけ声を出して笑うときはどんなときですか。私は信頼できる人と安心できる環境があってはじめて人は声を出して笑うのだと考えます。これは簡単に言えば、家族と自宅ということなのでしょう。
ですから、声を出して笑うというのは入居者の方と職員とが家族の距離になったということに他ならないのです。だから私は「笑う」にこだわるのです。


介護施設

介護の仕事-普通のこと


皆さんは毎日お風呂に入りますよね。楽しく笑っていたいですよね。心から安心できる場所が欲しいですよね。これらは決して特別なことではなく、普通の欲求なのです。この普通のことを介護の世界に取り入れたいのです。
介護とは、決して難しいことではありません。自分ならこうしてもらいたいという自然な気持ちを、ひたむきにそして普通に実 インタビュー中にも入居者の方からの        行することなのです。
リクエストで木曽節を一節
レパートリーはなんと3000曲


開かれた介護施設に


介護を理由に地域から隔絶された施設にはしません。メリーホームでは地域の歴史が各ユニットごとに散りばめれています。歴史探索パンフレットを子供向けに用意し、歴史教育・社会福祉の見学の場として施設を開放しています。こうした活動により子供や教師、保護者の出入りを促し、地域とのコミュニケーションの絶えない開かれた施設を目指しています。また歴史などをご入居者に語って頂くことにより、一つの生きがいを見出していただけるような施設を目指しております。


介護業界で働く人へのメッセージ


あきらめないでください。人をあきらめないでください。

袖山卓也
皆さんの目の前には、皆さんを信頼し慕うご高齢者がいるのです。自分の思うとおりにならなくても、決してあきらめないでください。
私は命を懸けてご入居された方を守ると断言しています。施設に働く私の仲間もそう考えています。その思いは必ず通じます。
がんばってください。

編集後記

工夫を凝らした建物も、絶景風呂も、毎日の入浴サービスなど負担の重いことなども「普通のこと」と気負い無くおっしゃる袖山さんはとにかく熱い人でした。インタビュー中にも木曽節を一節、大きな声で直ぐに人を引き付けてしまう姿は正に「笑う介護士」でした。



訪 問 施 設
特別養護老人ホーム メリーホーム大喜
〒467−0822
愛知県名古屋市瑞穂区大喜町1−5−5
電話番号:052−889−6820
FAX番号 :052−889−6821
プロデュース  有限会社 笑う介護士
          代表取締役 袖山卓也

http://www.geocities.jp/waraukaigosi/top.html


書 籍