原発事故からの避難体験を語る(左から)岡本さん、平野さん、工藤さん=名古屋市瑞穂区の市立大で
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原発事故後に福島県と千葉県から名古屋市へ自主避難している三人の母親が二十三日、瑞穂区瑞穂町の市立大で学生らに体験を話し、「自分や家族を守るため、原発や放射能の知識を持ってほしい」と訴えた。
国際関係論の特別講座で、この日は東海地方に自主避難した人で結成する「あゆみ・R・P・Net」副代表の岡本早苗さん(35)と幹事の平野有希さん(40)、工藤映子さん(41)が演壇に立った。
小学生の娘二人がいる平野さんは、局所的に放射線量が高いホットスポットの千葉県我孫子市から昨年二月に避難した。講演では、事故直後の雨に打たれた家族が体調不良になったと涙ながらに告白。「あまりにも原発事故に無知だった」と自分を責めた日々を振り返った。
三人によると、地元に残った人に「なぜ逃げるのか」と責められ、子供の安全を守るために精神的に追い詰められという。時折目に涙を浮かべながら聞き入った学生らは講演後、「自分でも近くの原発のことを調べたい」と感想を話し合っていた。
五人の母親で福島県伊達市から避難している岡本さんは「放射能の影響は今出なくても、将来子供に出るかもしれない。浜岡原発もあり、福島だけの問題ではない」と話した。
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