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【プロ野球】

ヤクルト江村、涙目の初勝利 憧れの前田智にぶつけ乱闘

2013年4月24日 紙面から

◇ヤクルト3−1広島

8回広島 2死一二塁、代打・前田智徳がヤクルトの3番手・江村将也(左端)から死球を受け、古沢憲司コーチ(左)がヤクルトの荒木大輔コーチ(左から2人目)の胸ぐらをつかむ=神宮球場(撮影・開出 牧)

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 ヤクルトが連敗を5で止めた。1−1とされた直後の8回2死から2連打で二、三塁とし、バレンティンが勝ち越しの2点二塁打を放った。3番手の江村がプロ初勝利、山本哲はプロ初セーブ。

 『涙』の初勝利だった。ヤクルトのドラフト4位左腕・江村(ワイテック)が、同点で迎えた8回2死一、二塁、代打・前田智を迎えたところで3番手として登板。死球で両軍が飛び出す乱闘になるも続投。2死満塁でルイスを空振り三振に仕留めると、その裏にバレンティンの2点二塁打が飛び出し、プロ3戦目で初勝利を手にした。

 涙は勝利のためではなく、乱闘シーンのせいだった。広島出身で「子どものころからテレビで見てきた方。ワクワクしながらマウンドに行ったが、ああいう形になってしまい頭が真っ白。帽子を取って固まっていた。涙目? なりますよ。ヤバイと思いました」と、ほえて向かってきた前田智の迫力に泣かされた。

 この乱闘で広島の古沢投手コーチがヤクルトの荒木投手コーチの胸ぐらをつかみ、退場処分となった。だが、「びびって投げることだけはやめよう」と踏ん張って後続を断ったことで白星が転がってきた。

 ワイテックでは自動車部品工場で残業までして働きながら、プロを目指して夜遅くに練習。プロ入りは弟・直也(ロッテ捕手)に先を越されたが、「プロ初勝利は素直にうれしい。ウイニングボールは両親に贈りたい」と喜びをかみしめた。

 帰り際、前田智が骨折していたと聞いた。「マジですか? どうすればいいですか…」。江村の表情が再び固まった。 (竹村和佳子)

 

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