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名産タケノコ嘆きの春 セシウム指針厳格化、出荷再開の壁に
 | 宮城県南の竹林で顔を出したタケノコ。出荷制限解除の見通しは立っていない=宮城県丸森町耕野地区 |
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国の基準値を超す放射性セシウムが検出され、出荷制限を余儀なくされている宮城県のタケノコ生産農家が、制限解除のハードルの高さに頭を抱えている。国の指針変更で要件が厳格になり、今シーズンの出荷再開は難しくなった。生産農家は「安全第一だが、制限が長引けば竹林もブランドも荒廃する」と嘆く。
4月末〜5月中旬に収穫の最盛期を迎える県内有数の産地・宮城県丸森町では昨年春の検査で1検体から基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を上回る120ベクレルが検出され、出荷停止が続く。 同町耕野地区の八島哲郎さん(51)は「昨年より線量はだいぶ下がった。シーズン終盤には出荷できるはず」と信じ、春の訪れを待った。竹林ごとに線量データを集めたり独自に除染したりして、消費者の不安解消に努めた。 八島さんら生産者の期待は失望に変わった。今月上旬、宮城県丸森町と宮城県白石市の生産者220人向けに開かれた説明会では、県の担当者が「今季の解除は難しい。東電への損害賠償請求を進めてほしい」と要望した。 県によると、国の指針はタケノコを「野菜類」として扱ってきたが、ことし3月に「きのこ・山菜類」と改めた。これまでは直近の1カ月で3検体が基準値を下回れば解除されたが、初回に最低でも50検体を用意しなければならなくなった。 空間線量の高いエリアでの検体採取、安全な栽培管理体制の構築も求められる。県は「仮に申請できたとしても、国の解除決定までにかかる時間も考慮しなければならない」とみる。解除の手続きをしている間に、収穫期を過ぎてしまう恐れがあるという。 県内の生産量は、震災前年の2010年は117トンだった。出荷の制限や解除は自治体単位で行われ、県内では栗原市も対象になっている。 八島さんの竹林では12日にタケノコが顔を出し始めた。試しに掘って測定に出すと、結果は限りなく「不検出」に近かった。県の検査は22日に始まった。 八島さんは「このままでは、構築に30年近くかかったブランドを失いかねない。自治体単位ではなく、線量の低い地域から制限を解除する手法も検討してほしい」と求めている。
2013年04月24日水曜日
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