2011年01月
子供たちも3ヶ月頑張った。
そろそろ、一息つかせてあげたい。
そんな訳で、家族旅行を計画した。
日本の皆さんのために解説しておくと、
アメリカ、特に東海岸の方々にとって、
メキシコのカンクンとは
日本で言うところのグアム。
近いけど、リゾート気分を味わえて、通貨はペソのはずなのに、ドルも使えれば英語もほぼ通じる。
何より海がきれいで、冬のニューヨークから常夏の島へってのが良いと思ったのだ。
旅行のプランを練らないといけない。
N女史にエクスペディアで予約してもらった。
犬を預けていかなければいけない。
N女史にドッグシッターを探してもらって手配してもらった。
あ、マイルも登録しないと…
N女史が全てしてくれた。
準備万端だ!(N女史のおかげで)
会社にも休暇願いを出し、香織子さんにも仕事を変わってもらい、
いざ!!!!!
雪が降って、飛行機飛ばなかった。
そんな、家族旅行、最初のトライだった。
ネバーギブアップ、俺。
この話はアメリカ在住の日本人にはなかなか分からない。
当然、日本でこのブログを見てくださってる人にはもっと分からない。
最近日本から来た、もしくは日本に遊びに行った人しかわからない話だ。
「うわーまだあるんですねー。おいし~」
FCIの敏腕ディレクター、トモミちゃんがもしゃもしゃ食べてるのはポップコーンだ。
キャラメル味。
およそ1か月前に買ったやつ。
湿ってるだろー!
なんてもん、食べてるの?ねぇ。
トモミちゃん、ディレクターとしては優秀だけど、味覚、おかしいよ?マジで。
食べてみたら、超サックサクで美味しかった。
なんで?
この感覚が分からないアメリカ在住の方に解説しよう。
日本では、お菓子なんてものは2・3日しかもたないのだ。
湿気がある日本では、特にスナック菓子は鬼門だ。
置いておけば、シナシナになる。
ポテトチップスなどは、限りなく残念な味になるのだ。
が、アメリカでは絶対にそうはならない。
そもそも湿気がほとんど、ない。
いつも僕は洗濯物を夜に回すようにしている。
日本の方は驚くかもしれないが、
朝起きるまでにほぼ渇くのだ。
しかも、カッピカピに。
日本ではないタイプの渇き方をする。
タオルなんて、台所の隅に間違えて、絞った状態のまま置いて、数か月放置した雑巾みたいな感じになる。
それほど、水分が飛ぶ。
9月に日本から来た当初、前任の佐野アナから言われたのが
「とりあえず、およそ1カ月は不可思議な咳が出続けるけど、知らないうちに治るから気にしないでね」
本当だった。
咳が風邪でもないのに出る。
今にして思えば、のどを乾燥から守ろうと、体が反応していたのかもしれない。
カラカラで、乾燥したニューヨークの冬に、僕は次第に適応し始めている。
今、日本に帰ったら、
「うわっ、ジメジメしてるっ」と感じるのだろうか。
アメリカに来る以上、是非一度は見てみたいと思っていたのだが、
まさかこんなに早く実現するとは。
しかも、プレーオフ。 要は頂上決戦だ。盛り上がる、盛り上がる。
7万人近い観客が試合終了までの3時間以上、総立ちだ。すごい。
最初はシアトルに。
次の週はボストンに。
結果はみなさんご存知の通り。 大番狂わせが今年のシーズンを面白くしている。
興味深かったのがアメフト選手たちの気の良さだった。
僕たちはめざましテレビのNFLコーナーの取材の為に行ったが、
そもそも、めざましテレビの大塚キャスターがアメフトのファンなのだ。
めざましのスタッフが無茶振りしてくる。
「大塚さんへの独占メッセージとか、もらえませんかね?」
無理言うな。 どんだけ安いスポーツだよ。
そんなの、とれるなら、テレビ各局、全局がとるわ。
でも、仕事で行った以上、トライだけはしなければいけない。
やれやれ。
ため息とともにマイクを向けてみる。
シアトルで敗れたセインツのQB(←要はスーパースター)、ブリーズ選手。
「日本のメディアですけど、メッセージを…」 |
「ごめんよ。今、家族が待ってるので急いでるんだ」
ほら、無理だった。当り前でしょ。大体、敗れた後にメッセージって!
でも、会話出来たし、よしとするか。イエメンだなぁ。ではなく、イケメンだなぁ。 …
ん?なんか、こっちに歩いてきたぞ???
「ごめんね、待たせて。家族を待たせていたから。質問は?」
えええええ????????
メッセージ、とれちゃった。大塚さん、大喜び。
2週目、ボストン。
今度は勝ったニューヨークジェッツのQB(←くどいがスーパースター)サンチェス選手。
今度は勝ったし、ちょっとマイク、出してみるか。
ん?広報のねーちゃんが僕たちの前を遮ったぞ?
「ごめんね、彼は忙しいの、インタビューはあきらめて」
ほら、これが当然だよ。日本のスポーツだったら、無視されておしまいよ?
あれ?サンチェス選手、広報のねーちゃんに話しかけてる。
「せっかく日本から来たんだよ?2問だけならいいじゃないか」
えええええ?????
おいおい、広報のねーちゃん、あきれ顔だよ。
またも独占メッセージ、とれた。なんだ?このスポーツ?
日本だったら…どのスポーツのどのチームとは言わないが、
人気があるのは分かるが、選手も広報も、態度は、まー横柄だ。
アメリカで人気ナンバー1スポーツのアメリカンフットボール。
メディアへの対応も最高に親切。
いいなぁ、アメフト。選手たちは体も大きいが、心もおっきかった。
僕もアメフト、好きになった。
集合時間まであと17分、間に合うのか!?
アメリカンフットボールのプレーオフの試合の取材でシアトルに飛んだ時だ。
僕は朝、いつもの通り、余裕を持って起床し、 余裕をもって、シャワーを浴び、
余裕しゃくしゃくでコーヒーを飲んでいた。
あ、髪の毛をセットしておこう。 ちょっと早いけど。
僕にとって、出張は鬼門だ。
毎回、空港で没収されるものがあるのだ。
ヘアースプレー。
僕の髪の毛は固い。 堅いのに直毛だ。
僕はいつもヘアワックスで動きをつけてから、その状態をキープするために ハードなヘアスプレーを振りかける。
昔、とくダネの台風中継の時に 「大変な横風です!」 と叫びながら、僕の髪の毛は一切なびいていなかった事がある。
さて、ワックスで動きもついた。
では、スプレーを…
次の瞬間、鏡を見て驚愕した。
髪の毛が真っ白になってる。
上の写真はその時の様子を収めた貴重な一枚だ。
何なんだ?このスプレー!???
よく見たらドライシャンプーだ。そら白くもなるわ。
ヘアスプレーのおまけとしてついていた小さいスプレー。
僕は何も疑わず、当然、小さいヘアスプレーだと思っていた。
ちょうどいい小ささで、 この大きさなら、空港でも没収されないだろう、と 今回はこのスプレーを持ってきたのだ。
ウラシマさんちの太郎さんか?僕は。
ある意味お洒落だが、さすがにこのままでは出られない。
めざましテレビの取材で来てるんだ。 驚くわ!めざましの視聴者さん。
この写真を撮影したのが集合の17分前。
幸い、大慌てで、シャワーを浴び直し、何とかぎりぎりで間に合った。
いやー、ほんと、 英語表記とか、やめようよー!
カタカナ、かっこいいよ?アメリカの皆さん。
僕はアメリカに来るにあたり、目標を立てた。
ロックフェラーのツリーを見ること。
オバマ大統領と会うこと。
中間選挙、大統領選挙を取材すること。
これが、いきなりほとんど叶ったので、新たな目標を3つほど設定した。
そのうちの一つが、またもいきなり叶ったので報告したい。
今回はシアトルへの出張だった。
空港のカウンターに荷物を預ける。
行先はシアトル。国内だ。
安心した僕は、パスポートを不用意にも、
荷物の中に入れたまま、カウンターで預けてしまったのだ。
アメリカのセキュリティーはかなりきつい。
僕はボディーチェックの際に止められてしまった。
IDを出せ、という。
僕はありったけのIDを出したが、それでも、嫌そうな顔をしている職員。
ついに僕は透明なアクリル板に囲まれた場所に連れて行かれた!
やった!
ついにこの時が来た!
長谷川の「アメリカ滞在中の目標コード5:空港でパッドダウン検査(お触り検査)を受けること」
もうね、全身隅々。触られまくり。
爆笑するディレクターやカメラマンを尻目に、
股間の部分を触られてる間、ちょっとだけ気持ちよさそうな顔、してやった!!!
自分で髪の毛切るって言っても、問題がありましてね。
所詮、見よう見まねでしょ?
切れないんですよ。
前半分しか。
え?だって、そうでしょ?
鏡、見えないし。
手探りでやるしかないわけですよ。
でもね、我々、アナウンサーですよ?
基本的に映るのは体の前面な訳です。
まぁ、何とかなるだろうって思って…。
そしたら、ある日、よりによって取材が入って、
「長谷川さん、長谷川さんが取材現場に向かってるって感じの絵を撮りたいんすよ」
とディレクターさんに言われましてね。
ようし、任せとけ、と長谷川、颯爽と取材現場に向かったのです。
後日、オンエアを見ると、
右後頭部だけ、真っ青だし!!
左、黒々してんのに。
…そんな感じの失敗も繰り返しながら、
長谷川、今ではメイクさんにも
「素人さんがここまで切れれば立派」と言われる技術を身につけました。
はるばる海を越えてきたセニング(すきバサミ)は今でも僕の大切なパートナーなのです。
これからニューヨークでの生活、
子供にもお金がかかるし、バッチリ節約して見せますよー。
「佐野君ね、ずいぶん安い理髪店に行ってたのよ?『職業、考えましょうよ』って言っておいたわ。
だって、時々、すごい髪形で来るんですもの(笑)」
佐野さん、ダメだなー。
僕たちってば、出役でしょ?
デ・ヤ・ク♪
テレビ映る人が髪の毛、手抜きとかありえないですよー。
ちゃんと僕みたいに
自分で切らないと♪
…なんすか?
え?僕??
はい。切ってますよ。自分で。
何か?
もうかれこれ6・7年かなぁ。
当時仲の良かったメイクさんが理容師の免許を持ってましてね、
彼女が引退するときにもらったんですよ。
セニング。
あ、ごめんなさい、専門用語、出ちゃった♪
スキバサミですな。
そら最初はえらい事になってましてね。
でも、一応、僕は髪の毛のセットに関してはなかなか(ごまかすのが)得意なので、
上手いこと何とかしてたのです。
だってね!
理容室代、結構かかりますよ!?
しかも、僕の髪、伸びるの早いんです。
昔、
「エッチな男は髪の毛が伸びるのが早い」
と聞いたことがありましたが、
僕はどちらかと言うとほんのちょびっとだけですが、そう、本当にごくわずかではあるのですが、
多少なりともエッチな普通の男なのです。
まぁ、髪の毛…伸びるの…早いよね。激烈に。
2週間に一度とか、行ってられないじゃないですか?
そんなお金あるわけ無いし。
僕、東京でお小遣い、一月5万円だったし。
交通費引いたら3万円強だったし。
自分で技術磨くしかないって思ったわけですよ。
いい節約になりますよ?
でもね、ある問題があったんです。それは…
【次回に続く】
さすがに聞いていた通り、なかなかの寒さだ。
が、長谷川、寒さにはなかなか強いのだ。
昔、氷点下1度の事故現場で、16時間、遺体が収容されるまで粘ったこともあった。
ちょっとやそっと程度ならへのカッパだ。
そんな中、
アッパーステートという、ニューヨークの北の方でロケが入った。
「長谷川さん、暖かい格好してきてくださいね」
ニューヨーク在住10年以上のディレクターから電話が入る。
任せとけ。
僕は東京であれば、立っているだけで汗をかく格好をしてロケ現場に向かった。
まずズボンの下には必殺のステテコ!
Yシャツの下には威力絶大のらくだシャツ!
超暖かいコートにマフラーだ!思い知ったか!ニューヨーク!!
集合場所でみなが一様に口を開く。
「大丈夫すか?そのカッコ」
「寒いですよ、絶対」
「手袋は?え??ないんですか?信じられない!」
「なんで革靴履いていくんですか?」
スーツだからだよ。革靴じゃん、普通。
って言うか、みんな、なんで普通に
今からスノボーするよ的なファッションしてる訳?
現場到着。午前11時。
日が出てる。
マイナス7度。
そして強風。
どこがちょっとやそっとだよ。
死ぬから、マジで。
ねーみんなさーほんと、
言ってよ!!(←言ってる)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あれから数日。
さっき、
「今日の最高気温は氷点下じゃなかったねー」
「ほっとするよねー」という会話をAD君としました。
僕は、僕は
一皮も二皮も向けて日本に帰るつもりだったが、
むしろ皮は分厚くなってきてる気がする。
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
そんな訳で、初めての年越し。
インターネットを通じて、紅白歌合戦の白組が6連勝したことを知ったのはまだ31日の昼だったが、
とにかくまぁ、なんと、年末感の無いこと!
「年越し」
なんて言ってるが、実はただの毎日のうちの一日に過ぎないことを思い知った。
別にこれといって好きでもなかったおせち料理。
面倒だった親戚まわり。
はっきり言って面白くもない新年特番。
日本のお正月は面倒なことが多かったはずなのに、
「新年が始まった」ことを強く感じることは事実だった。
今年の年越しは日本から後輩が遊びに来てくれ、
多少はにぎやかな時を過ごしたが、来年はどうなるんだろうなぁ。
何か、特別な事でも考えようかなぁ。
家族で旅行に行くとか…
なんて考えてた長谷川にクールにスタッフがこう教えてくれた。
「あ、長谷川さん、モーニングEYE、年末年始とか関係ないんで、特に休みとか、無いっすよ♪」
長谷川、2011も大晦日まで働かせていただきます!!