1929年10月の売り一色の暗黒日とよばれる前にも、約三ヵ月ごとに暴落と暴騰を繰り返していた。そして、人々はそのたびに必ず、国家と金融界の指導者が一番困るのだから、政権交代でなんとかしてくれると期待した。これが「心理的壁」とよばれる信用経済現象に発生する防衛壁である。

2007年当時，為替は126円まで円安が進んだ，しかし日本の大企業は、１ドル115円で、社内レートを計算していた。個人為替トレーダーが金利の安い円を売り高利の外貨を買っていたから「１ドル115円以上の円高にはならない」と心理的壁を築いていた。これらの壁が、ベルリンの壁より簡単に崩壊した。現在の大企業は１ドル85円で、社内レートを計算している。１ドル115円以上の円安にはならないと心理的壁を築いている。はたしてそうだろうか。基軸通貨のドル暴落は絶対に止まらない。金バナレ攻撃の通貨戦争から関税障壁を低くし、外資を導入し、土地や株のバブルを復活させアベノミクスなるマジックを使っても基軸通貨のドル一極から多極化に進むのは必然的。金本位制にしない限りドルの地位を守ることは出来ません。新ドル発行デノミで1ドル60円になるとキンとのリンクを宣言すると予測すると，円はＭＡＸ200円まで円安が進むことになる。つまり鉄の心理的壁なんか簡単に破れるということ。

1929年のニューヨーク株式市場の心理的壁は、史上最高の堅固さと信じられていた。それは、モルガン商会が、株取引の75％を仕切っているだけではなかった。だから「いざとなればモルガンが金融界をまとめ組織的な買い支えてくれる」という鉄の心理的壁が支配していた。バレて口先買い支えだったことが判明した。

全国一斉で百倍以上になった窓口の取り付けに遭遇する。日本は預金一千万円までの国家保証システムをつくり、二度と銀行への巨額な補填の必要はなく、取り付けパニックの再発はなくなったと、政府は確信している。だが、預金一千万円が返済されるまでの時間に、個人や企業が破産する可能性があるかぎり、信用不安を囁かれた銀行の取り付け騒ぎは発生する。その上、銀行の売上利益を救済するために、返済保証が全くない投資信託を窓口で売らせている。そのため、銀行は証券や郵便局と同時に、取り付け騒ぎの発生を避けることができない。2015年〜2017年の銀行・為替・証券の一時閉鎖で証明される。

日本の政府は、前回のような個々の銀行の取り付け騒ぎでなく、全国一斉で百倍以上になった窓口の取り付けに遭遇するはずです。日本の既存の経済システムは、人間生活に必要な消費の三倍なんです。水増しされ、その実体の３×３＝９倍まで、膨れ上がってしまっている。そして、産業ごとのトップ企業の交代が加速されるでしょう。公務員の所得を3分の1にしないとシーソバランスの安定性は保つことは不可能。

こうして、日本は世界の経済信用パニックの震源地から脱出できずもたつく。各国の通貨発行の基準とするキン本位制を宣言するはず。国家が買手なら高騰十倍、五倍で長期安定，十倍に暴騰した後に半減して安定する。香港ドルの暴落と、円ドル為替が一時的に円高・暴騰し、円安。アベノミクススーパーバブルが4倍になると弾ける、約二年で生産過剰となり暴落する。世界の信用市場の崩壊を加速してしまう。そして国債も需給バランスを崩し何度も額面を割る。世界金融暴落とドル暴落は心理的に止めらけない。