以前も紹介したかもしれないが、大阪と東京の労働委員会で不当労働行為命令を受けた経営に対しては、行政がペナルティをこめて行政関連の仕事を発注しない旨の取り決めがある。東京は美濃部知事時代の確認で、残念ながらなかなか行使できないが、自分が地区労オルグだったときは、この条項で争議解決をかちとった。大阪は、直近まで活用していたはずだが、今回のような行政による不当労働行為の場合はどうすればいいのだろうか。行政委員会の命令に対しては、それだけ重きをおかれるし、行政当局も配慮するという当然の姿勢だが、肝心の首長自ら、さらに不当労働行為の上乗せをはかるがごとき対応をするという恥さらしをいつまで続けるのか。仄聞すると中労委に再審査を求めるというが、その費用は当然、橋下市長の個人的負担とすべきであり、労働委員会の権威を首長自ら貶めることに対する別なペナルティもあって然るべきだ。 この異例中の異例ともいうべき事態に、「連合」が事務局長談話を出したのも異例で、昨日の読売新聞が「連合、橋下氏を批判…不当労働行為の再審査巡り」のタイトルで報じた。 >連合は27日、大阪市の職員調査を大阪府労働委員会が不当労働行為と認定したことについて談話を発表し、橋下大阪市長(日本維新の会共同代表)が再審査申し立てなどを検討していることについて、「事態を混乱・悪化させる対応は極めて遺憾」と批判した。 民主党は夏の参院選で維新の会との選挙協力を目指しているが、連合と橋下氏の対立が強まったことで、協力関係の構築は難しくなったとの見方も出ている。 なお、「談話」自体は下記に掲げておくので勝手に読んでいたいし、これ以上のコメントも差し控える。 http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/danwa/2013/20130327_1364356003.html とにかくハシズムに関する話題にはことかかない。橋下市長にとっては当たり前の行動かもしれないが、端から見ればその行為自体が法律に違反していると思えるものが山のようにある。それでも、大阪の皆さんは認容してしまう時代に、恐怖を感じる。いくつか紹介してみたい。まず、直近に起きた「職員給与明細書の恫喝書き込み」問題。 http://biz-journal.jp/2013/03/post_1766.html >大阪市職員の間で新給与明細書に非難囂々…職務中にツイッターの橋下市長も規則違反?(ビジネスジャーナル 2013.03.26) 「橋下徹 公式HP」より 「めっちゃ気分悪いですわ。これ見てくださいよ。今月から給与明細に、こんな文字入れられて。うちの(橋下徹)市長は、ほんまに器のちっちゃい男や」(大阪市職員A氏) 憤るA氏が筆者に手渡したのが、2013年3月支給分の大阪市職員給与明細書だ。 今月から大阪市役所では、職員の給与明細上部に「懲戒処分…人ごとではありません!」という文言が記載されるようになった。加えて、下部には「懲戒処分を受けると…」という見出しの下に、職員が懲戒処分を受けるとどうなるか、その具体的内容についても書かれるようになった。以下に、給与明細書に記載されているその内容を転載する。 ●懲戒処分を受けると… 「勤務時間中の喫煙やマイカー通勤などの行為により、毎月多くの職員が処分されています。もし停職1月の懲戒処分となれば、この給与明細分の給与が支給されません。また期末勤勉手当(いわゆるボーナス)や昇給、退職手当まで減額され、生涯賃金への影響は数百万円になる場合があります!」 (大阪市職員2013年3月18日支給分給与明細書から抜粋・引用) 大阪市では、それまでの行政政策と職員の姿勢を否定する橋下市長就任以来、何かと市長と職員は対立を続けてきた。だが、日がたつにつれ、職員は政策面、主義思想などは異なるものの、橋下市長の豪腕ぶりを認める空気が強くなっていたという。 「確かに、この給与明細書にあるように、ここ最近、大阪市では、懲戒処分を受ける職員が、過去に例を見ないくらい増えている。もちろん懲戒処分を受けるようなことをする職員が悪い。しかし、やたら処分が重すぎる。弁護士出身なのか、市長は『法令によらない懲戒処分は行わない』との方針だとかで、些細な事案でも、すぐに地方公務員法による懲戒処分を行うことに躍起になっている。こんなの、市長のすることですか? また、そんな市長の強権ぶりに拍手喝さいする市民も、どうかと思いますよ」(大阪市労組に属する大阪市職員B氏) 今、大阪市では、勤務時間中の喫煙は上司に「時間休」を申請し、その上で、庁舎外に出て行わなければならない。もし、無断で「ちょっと一服」すれば、公務員としての職務専念義務を果たしていないとの咎で、地方公務員法上の「戒告」「減給」「停職」「免職」といった懲戒処分が科せられることになっている。 ●勤務時間中に喫煙すると即懲戒? 過去、この手の事案では、「厳重注意」「注意」など、地方公務員法によらない処分が科せられることが一般的だった。実際、現在でも大阪市以外の地方自治体では、喫煙目的で無断で職務を離れる行為が目に余る場合は「注意」、よほどひどい場合は「厳重注意」となるケースがほとんどだ。 有権者、納税者である市民感情としては、公務員が懲戒処分され、厳罰に付されることを喜ばしく思う向きもあろう。しかし、現実問題として、例えば、橋下市長が府知事時代から引き合いに出している民間企業でも、職務に関する急な来客や込み入った話があり、職場外の喫茶店に出て、喫煙しつつ話し込むなどというケースは多々あるだろう。 ところが大阪市では、こうした行為は、許可なく無断で職場を離れたとの理由で、職務専念義務に反したとして、即「戒告、減給何カ月」といった地方公務員法上の懲戒処分を受けることになるという。公務員は懲戒処分が一度でも科せられると、その後の昇進、昇給などに大きく響く。懲戒を受けるほどの「悪事」かといえば、少なからず疑問の残るところではないだろうか。 懲戒処分にかけるか、かけないかの判断は、職員の直属上司に委ねられている。もし折り合いの悪い上司であれば、それこそ「体調が悪くトイレに長居していただけ」でも、懲戒処分を受ける可能性があるのが、今の大阪市の現状だ。 ●処分理由があれば、即処分しなければ、上司の監督責任が問われる 懲戒処分事由として、喫煙と並んで多いのがマイカー通勤だ。このマイカー通勤は、電車・バスなどの公共交通機関の利用を嫌がり、時間にルーズな人物が行うものとの印象が強いだろう。だが、必ずしもそうは言えないようだ。 「午前中に時間休を取って病気にかかっている子どもを病院に連れて行き、そのために時間的な余裕がなくなり、やむを得ずマイカーでの通勤を行った。これでも懲戒処分される。上司がマイカー通勤の事実を知り、それを隠せば、今度はさらに上の上司の立場がまずくなる。もう少し、個々人の事情を考えてもらいたい」(前出・C氏) ●橋下市長も職務専念義務違反? もちろんマイカー通勤、勤務時間中の喫煙は、決して褒められることではない。とはいえ、やたらと懲戒権を振り回し、懲戒処分を乱発することもまた、決して褒められることではない。 「昨年の衆院選で、市長が代表を務める『日本維新の会』が低迷してから、市長の職員に対する風当たりがまたきつくなってきた。八つ当たりも甚だしい。最近、報道された公募区長罷免もそう。そもそも市長は、マスコミで伝えられているように、その行動に何か深い考えがあって行っているものとは職員は誰も思っていません。市長の本質は“狂犬”なんです。就任時は職員、それから市議会、マスコミと噛み付き、先の桜宮高校生自殺事件では、とうとう市民にまで噛み付いた……という感じです。いつも単なる思い付きで動いているだけなのではないですか」(C氏) 最近、橋下市長はTwitter上で「(自らのツイートは)思いついたままのストレス発散」と発言した。これを受けて、ある職員は「これまで、市長の公務時間中のツイートも、あくまでも市長としての情報発信だと思うから、多少の疑問はあっても誰も何も言わなかった。でも、そうではなく『ストレス発散』って、市長自らおっしゃったということは、これは公務ではないですよね。私ら職員は、市長のように公務中Twitterをして、ストレス発散できません。市長こそ、職務専念義務違反で懲戒にかけられるべきでないですか」と怒りをあらわにする。 まだまだ橋下市長と市職員のバトルは続きそうだ。 憲法違反でもあり、争うべき事象ではないか。行政は民間に範をたれる立場というが、民間ではありえない。そして倉庫には山のように紹介したいものがあったので、この際、「在庫一掃」セールを行わせていただく。 まずブログ「村野瀬玲奈の秘書課広報室」より「ブラック自治体大阪府のブラックぶりの一端」(2013.2.6)を。これ以外にハシズム批判はズラッと並んでいるので直接読んでいただきたい。とにかく大阪教育合同労組はがんばっている。 http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-4100.html 次は、昨年7月のこんな記事。当然、これも不当労働行為になる。 >大阪市 ごみ収集民営化反対の労組ビラ 橋下市長が攻撃(毎日新聞 7月14日) 大阪市環境局の労働組合が、家庭ごみの収集を民営化する方針への不安をつづったビラを配布したことに、橋下徹市長が激しい批判を繰り返している。「セーフティーネットが危ぶまれている」などのビラの内容に、橋下市長は「完全な信用失墜行為だ」と懲戒処分をちらつかせ、ツイッターでも「バカ」という表現を使って労組を攻撃し続けている。公共サービスに関わる問題を外部で訴えることは許されないのか。専門家からは「行き過ぎた言論統制」との指摘も出ている。 ビラを作成したのは、環境局職員らが加盟する「市従業員労働組合」など。今月上旬、業者を通じ市内で約60万枚を戸別配布した。ビラでは、高齢者や障害者を訪問し、家庭ごみを収集する市の事業を紹介。民営化した場合に、「市民と築いてきたセーフティーネットが危ぶまれている。市民の日常生活に大きく影響することが心配」などと記した。 橋下市長は11日、市議会で「組織の一員が、経営方針について市民に訴えかけるのは絶対にあってはならない。内部で話すことだ」と批判。「民間の価値観に早くさらすべきだ」と民営化を前倒しすることまで示唆した。 これに対し、ビラを配布した労組の幹部は「我々も清掃事業に自負があり、思いを伝えたくて配布した。民営化反対が目的ではない」と困惑している。 ついで「思想調査アンケート実施チームの給与900万円の返還を求められる」との記事。これも長くなるので、直接アクセスいただきたい。 http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/f34b626bc8c3709917053dcf6a7c1672 きりがないので最後に、大阪府で起きている大変な事態を紹介して終える。 http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0326/san_130326_1236522558.html >泥沼産む“橋下遺産”でのしかかる借金 私立高無償化、給食…(産経 2013/02/15 ) 2月14日発表された大阪府の25年度一般会計当初予算案。生活保護扶助費など社会保障関連経費は年々増え続け、財政を圧迫している。その上に重くのしかかるのが「私立高授業料無償化」や「中学校給食」など橋下徹前知事の“遺産”だ。大幅な税収の回復が見込めない中、貯金の取り崩しや借金に依存する悪循環から抜けきれず、府の借金は過去最高の約6兆4千億円に膨れあがる見込みだ。 自由な進路選択の機会を提供することを目的とした現行の私立高授業料無償化制度は橋下前知事が23年度にスタート。25年度は1〜3年まで3学年すべてがそろうため過去最高の約228億円に。原則として今後も毎年同額が必要になる。 また、中学生の学力や体力の元となる食を充実させ、大阪の教育力向上につなげようと23年度から始めた給食施設整備費助成の負担も重い。27年度までに市町村に246億円の助成を行う計画で、25年度は約35億円を計上。府は28年度中に大阪、堺両政令市を除く府内全市町村で実施率100%をめざしている。 府が昨年2月施行した財政運営基本条例は収入の範囲で予算を組むと規定するが、税収だけで賄うのは現実的に不可能だ。 そのため、府はこれまで国から配分される地方交付税に頼ってきたが、25年度の交付税は減額され、24年度当初比147億円減の2553億円に。府は歳入不足を補うため“貯金”にあたる財政調整基金から401億円を取り崩した。ただ、それでも足りず、臨時財政対策債も同比200億円増の3100億円の発行を余儀なくされた。 なお、さらに知りたい方は、以下の「赤旗」報道もご参照いただきたい。これでも大阪はハシズムを支持しますか? >。「深まる矛盾 広がるノー 橋下市長 大阪市解体計画」。 「日本維新の会」を率いる橋下徹大阪市長が、金看板にしている「大阪都」構想に基づく大阪市の「改革」、実はそれが大阪市の解体計画にほかならず、市の事業のあらゆる分野に及ぶサービスの削減や廃止・統合・民営化など、市民にもたらす実害が深刻であることが浮き彫りになってきました。その実態が知られるにつれて、市民や市議会との矛盾は深まるばかりです。 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-19/2013031903_01_0.html |
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