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妊娠したシャチのラビー=シーワールド提供

出産予定は10月

水族館での3世誕生に期待

国内で初めて水族館で生まれ育った鴨川シーワールドのシャチ、ラビー(10歳=体長491a、体重1850`)が妊娠していることが明らかになった。4日午後、同園が記者会見を開き発表した。出産は今年10月の予定で、こちらも国内初となる3世の誕生に、関係者は大きな期待を寄せている。

同園は、70年に国内で初めてシャチの飼育をスタートし、その魅力を紹介している。飼育下で国内初の繁殖成功例となったのが父親ビンゴと、母親ステラの第1子として、98年1月11日に誕生したラビー。

シャチの成熟は7、8歳で、ラビーは9歳となった昨年4月中旬、同居しているオスカー(88年3月にアイスランドから搬入。推定年齢23歳=体長572a、体重3250`)との間に交尾があり、2か月後の6月中旬にホルモン検査と、エコー診断で妊娠を確認した。

ラビーの妊娠は初めてで、自然界でもシャチの初産は流産が多いことから、同園では慎重に様子を見守り続け、昨年12月からは花形で活躍しているパフォーマンスを制限するなど、無事な出産に向けての準備を進めている。

懐胎期間は約18か月で、順調にいけば今年10月にも国内では初めてとなる水族館でのシャチ3世が誕生する。「出産、子育ても順調に進み、親子3代でパフォーマンスができることを望んでいます」と荒井一利館長。

シャチは現在、世界6か国で44頭が飼育され、うち国内では同園の6頭以外に2施設で各1頭のみ。飼育下の繁殖は難しく、無事に育つのは50%ほどといわれるが、同園ではラビーを含め4頭が生まれ、現在も3頭が育っている。

また、水族館生まれのシャチによる出産は、これまで国外で十数例が知られているが、無事に育っているのはアメリカ・シーワールドで飼育する4頭の母親から誕生した10頭だけという。

【写真説明】妊娠したシャチのラビー=シーワールド提供

08年6月5日 8,950
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