| 「日本二十六聖人殉教地」を訪れた韓国からの巡礼ツアー客=長崎市、西坂公園
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キリシタン殉教地や教会を訪ねる「巡礼ツアー」で本県を訪れる韓国人観光客が増えている。県観光連盟が主な旅行会社5社に確認したところ、昨年度の延べ宿泊者数は前年度の約2倍に当たる2742人と順調な伸び。5月の県ソウル事務所の復活を追い風に、同連盟は県などと連携し、誘致拡大に力を入れる。
同連盟によると、2010年度が678人、11年度は1414人と、近年は年ごとに倍増している。ほかにも取扱会社はあり、通常の観光ツアーに組み込むケースなどを合わせると実数はさらに増えるとみている。県内の教会へのミサ受け入れを調整している長崎市のNPO法人長崎巡礼センターによると、昨年度の延べ受け入れ件数は213件。本年度は4、5月だけで約100件の依頼が相次いでいるという。
県などは「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録を目指す動きと連動し、キリスト教徒が多い韓国からの巡礼ツアー客誘致に向け、モニターツアーを実施。同連盟と同センターは昨年、県内の巡礼スポットを紹介したハングル版パンフレットを約1万部作った。今年1月には中村法道知事がカトリックソウル大司教区を訪問するなど働き掛けを強めている。
県観光連盟の土井正隆専務理事は「カトリック関係者へのアプローチ効果が表れてきている。現地にスタッフが常駐する県事務所との相乗効果で誘致増につなげたい」としている。