「日本の仏教、帝国主義侵略を懺悔しないのは誤り」

平和運動家の一戸彰晃住職、日本仏教に苦言

 「帝国主義侵略の時代、日本の仏教は国の政策と協調するというレベルを超えて積極的に加担し、協力した。これを懺悔(さんげ)すらしないのは、仏教人として基本に背くことだ」

 青森県・雲祥寺の一戸彰晃住職(63)は、人権・平和運動家として日本国内で広く知られている人物だ。昨年9月、自身が所属する曹洞(そうとう)宗が植民地時代に犯した罪を悔いる「懺謝文」の碑を、全羅北道群山市の東国寺に立てた。22日にソウルを訪れた一戸住職は、植民地時代に帝国主義侵略の手先となった日本の仏教の活動や朝鮮人の抵抗など、自身がおよそ10年にわたり行ってきた調査の内容を紹介した。

 曹洞宗は、韓国が併合された日、韓半島(朝鮮半島)全域の布教所で祝賀の法会を開き「天皇陛下万歳」を叫んだ。1895年の明成皇后(日本での呼称:閔妃〈びんひ〉)暗殺事件にも、曹洞宗の僧侶が深く関与していた。伊藤博文・初代韓国統監を弔う「博文寺」を京城(当時)の奨忠壇付近(現在の新羅ホテルの位置)に建て、安重根(アン・ジュングン)の息子にこの寺を参拝させたこともあった。「日本の有名な高僧でさえも、弟子に『出家前に日露戦争に参戦し、敵軍を無数に殺した』と自慢していたという記録が残っている。仏教の経典の文言をモチーフにして『軍旗を持っていれば何でもできる』と兵士たちを励ました僧侶もいた」

 最近、韓国で『朝鮮侵略懺悔記』(原題は『曹洞宗は朝鮮で何をしたのか』)を出版した一戸住職は、日本仏教の戦争犯罪を批判する活動が原因で右翼に脅迫されている。心配な面もあるが、一戸住職は逆に「(自分が攻撃されたりすることで)事件になれば、日本人の良心を目覚めさせることができるだろう」と言って笑った。「昔のように刃物を振り回す右翼は、最近ではあまりいない。脅迫電話がかかってきたら、妻が代わりに電話に出て『何も分かりません』と言って切ってしまう」

 一戸住職は「懺悔は仏教の基本で、誤りを自ら懺悔していかなければ世の中は変わらない」と語った。「日本は、過去を懺悔するのは損だと考えているようだ。それは、非仏教的な考え方だ。戦前も戦後も全く同じように、仏教が国の方針に無批判に従うという行為を繰り返してはならない」

李泰勲(イ・テフン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 22日、ソウルの奨忠壇公園で会った一戸彰晃住職。一戸住職は、日本の朝鮮侵略を批判してきた人物。/写真=李泰勲(イ・テフン)記者

right

関連ニュース