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靖国問題―なぜ火種をまくのか

近隣諸国との関係改善が必要なときに、安倍政権はいったい何をしているのか。麻生副総理・財務相ら3閣僚が、春季例大祭に合わせて靖国神社を参拝した。安倍首相は参拝を控えたが、[記事全文]

財政再建―健全化法から始めては

G20財務相・中央銀行総裁会議が日本の名をあげて「信頼にたる中期的な財政計画を作るべきだ」と注文をつけた。ひどい財政難のためだ。麻生財務相は今年なかばに計画をまとめると表明した。[記事全文]

靖国問題―なぜ火種をまくのか

 近隣諸国との関係改善が必要なときに、安倍政権はいったい何をしているのか。

 麻生副総理・財務相ら3閣僚が、春季例大祭に合わせて靖国神社を参拝した。安倍首相は参拝を控えたが、神前に捧げる供え物「真榊(まさかき)」を奉納した。

 これに反発して、韓国は今週末に予定していた尹炳世(ユンビョンセ)外相の訪日を取りやめた。中国外務省も日本に「厳正な申し立て」をしたと発表した。

 菅官房長官は会見で「影響を外交に及ぼすべきではない」と語った。だが、靖国参拝は歴史認識に関わる問題であり、両国の反発は当然、予想されたはずである。

 日本外交にとって、いま最も優先すべき課題のひとつは、核・ミサイル問題で挑発を強める北朝鮮に日中韓が結束して当たることだろう。韓国外相の来日もその調整の一環だった。

 たしかに、日本と中韓両国とは尖閣や竹島問題をめぐって緊張が続いている。中国の監視船が尖閣周辺の日本領海を侵犯するなどの行為に対して、抗議するのは当然だ。

 同時に、首相自身が「大局的な観点から関係を進める」と語ったように、粘り強く関係修復をはかる。そうした微妙な時期である。

 それを、靖国問題でことを荒立てるのでは、方向が逆ではないか。

 これによって関係改善が遠のくようなことになれば、国益を損なうだけだ。

 首相はもともと靖国参拝が持論だ。だが、第1次安倍内閣のときは参拝を見送り、悪化していた両国との関係を打開した経緯がある。

 今回、首相は閣僚の参拝について「自由意思に基づいて行うことだ」と、それぞれの判断に任せたという。自身が参拝しなければ乗り切れると思っていたとすれば、甘すぎると言わざるを得ない。

 首相は再登板後も、歴史問題をあまり前面に出さず、経済再生を優先してきた。

 しかし、このところ気になる言動が目立ち始めている。

 2月の国会答弁では「(前回の)首相在任中に靖国参拝できなかったのは痛恨の極みだ」と語った。

 きのうの国会では、過去の植民地支配と侵略へのおわびと反省を表明した村山談話について「安倍内閣として、そのまま継承しているわけではない」と述べた。

 高い支持率で、緊張感が薄れているのではないか。閣僚の言動も含め、自制を求めたい。

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財政再建―健全化法から始めては

 G20財務相・中央銀行総裁会議が日本の名をあげて「信頼にたる中期的な財政計画を作るべきだ」と注文をつけた。ひどい財政難のためだ。麻生財務相は今年なかばに計画をまとめると表明した。

 問われているのは、約束ではない。中身がある再建を実行することである。

 目標はすでにある。国と地方の基礎的な財政収支の赤字の解消だ。赤字額が30兆円を超え、国内総生産(GDP)に対する比率が6%台半ばだった10年度とくらべて15年度に赤字比率を半減させ、20年度までに黒字化する。政府が決め、国際的に公約している。

 来年度から2段階で予定する消費増税をおこなえば、15年度の半減は見えてきそうだ。

 しかし、20年度までの黒字化は、名目3%と高めの経済成長を続けてもおよばない。内閣府は、そう試算する。

 成長戦略の具体化でGDPと税収を増やそうと力を入れる安倍政権も、予算面での対策が避けて通れない。消費増税が1年後に控えることを考えれば、当面の焦点は歳出の抑制・削減策である。

 第一歩として、実現してもらいたいことがある。

 自民党が野党だった10〜11年に法案を出した「財政健全化責任法」を成立させるのだ。

 国と自治体に財政を立て直す責任を課す。政府は基礎的財政収支を指標とする中期計画を作り、国会の承認を得る。新たに予算を伴う政策を始めるときは財源を事前に確保する――。そんな内容である。

 立法で再建を目ざした例としては、橋本内閣による97年の財政構造改革法がある。

 社会保障や公共事業など、分野ごとに歳出の上限を決め、具体的な数値をふくむ計画を法律に書いた。ところが銀行や証券の破綻(はたん)が続く金融危機のため、翌年に小渕内閣が凍結した。

 この経験から、予算を法律でしばる考え方に対し、政官界には抵抗が強い。

 しかしわが国の財政は、90年代後半とくらべても、はるかに深刻だ。再建への政府と国会の姿勢を、立法という形で示すことが必要ではないか。

 自民党の法案は、経済環境が急変したときは政府の判断で計画を変えることができ、後で国会に出し直す仕組みだ。財政構造改革法とくらべて、機動的である半面、拘束力は弱い。これぐらい決められずに再建などおよそ無理という内容である。

 政府・与党は、まず健全化法から一歩を踏み出すときだ。

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