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生体腎移植 腎臓提供の母親が死亡
4月18日 12時36分

生体腎移植 腎臓提供の母親が死亡

沖縄県浦添市の病院で、今月13日に息子に腎臓を提供するため摘出手術を受けていた65歳の女性が、腎臓周辺からの出血が止まらなくなり、そのまま亡くなっていたことが分かりました。
生体腎移植で臓器の提供者が死亡したのは国内で初めてです。

亡くなったのは、息子に腎臓を提供するため、今月13日に浦添市にある八重瀬会同仁病院で腎臓の摘出手術を受けた、沖縄県内に住む65歳の女性です。
病院などによりますと、腎臓の摘出は内視鏡の一種の腹くう鏡で行われ、手術開始からおよそ3時間半後に出血が止まらなくなり、輸血や血を止める処置を繰り返したものの、女性はそのまま死亡したということです。
左の腎臓を体の外に取り出そうとしたときに、周辺の複数の血管から出血が始まったということで、病院では、腎臓を取り出す際の処置に問題があったとみて調査しています。
摘出された腎臓は待機していた43歳の息子に移植され、順調に機能しているということです。
この病院では、今回を含めこれまで28例の生体腎移植を実施しています。
病院の照屋一夫事務局長は「腎臓の提供者が亡くなってしまい、結果を重く受け止めている。ミスがあった可能性も含め調査を行いたい」と話しています。
日本移植学会によりますと、生体腎移植は国内でこれまで2万例以上行われていますが、臓器の提供者が死亡したのは初めてだということです。
生体肝移植では、平成14年に京都大学附属病院で娘に肝臓の一部を提供した女性が、9か月後に死亡したケースがあります。
腎臓の摘出手術を受けた女性が死亡したことについて、沖縄県浦添市の八重瀬会同仁病院は、18日夕方、記者会見を開き、山内英樹院長は「ドナーが死亡したことは大変なことだと認識している。生体腎移植でこのような結果をきたしたことを心からおわびします」と述べました。
また、「家族にも状況を説明したうえで謝罪した」としたうえで、病院に「事故調査委員会」を設け、手術の途中で出血が止まらなくなった原因の究明を進めるとともに、日本移植学会にも調査を依頼したことを明らかにしました。

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