大学生ら若者の急性アルコール中毒が社会問題化する中、津市の三重大医学部で二十二日、総論としてアルコール問題を学ぶ三重大初の授業があり、一年生約百二十人がアルコールの危険性や依存症などへの理解を深めた。
授業は医学系研究科の吉本尚助教(33)が教える医学科の必修科目「医学概論」の一こま。吉本助教は「アルコール依存症は脳内のブレーキが壊れた病気。アルコールを飲める人なら誰でもなりうる」と指摘。何らかの問題がある国内の飲酒者は六百五十四万人に上るほか、一人や眠るために飲むのは依存症になりやすい飲み方であることを紹介した。
学生に体質判定テストを体験させ、自分や友人が飲酒できる体質かどうかを把握することの重要性も説いた。
授業には看護師の仕事を手伝う学生グループ、MUSH(ムッシュ)代表の山本恭資さん(24)も登壇。「『医療機関に運ばれない』というぐらいの気持ちを持ち、楽しく飲んで楽しい学生生活を」と呼び掛けた。三重断酒新生会家族会の女性による体験発表もあった。
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