通行止めで冬場はのぼりべつクマ牧場(登別市登別温泉町)の展望台が唯一のビューポイントとなっている倶多楽湖(白老町)がこのほど全面結氷した。白いベールに覆われた湖面は静寂さを一段と増し、深い冬の眠りについている。
倶多楽湖は周囲が急峻(きゅうしゅん)な外輪山で囲まれているため、原始の姿を保っているのが特徴。行政区域は白老だが、車で行けるのは登別側からだけ。透明度、水質は全国でもトップクラスを誇り、人気の観光スポットとなっている。
近年は結氷したりしなかったりの繰り返しで、昨年はとうとう全面結氷に至らなかった。同牧場の前田菜穂子学芸員(学術課長)によると、昭和時代は全面結氷することが多かったものの、温暖化のせいか、平成に入ってからはそこまでいかない年も多くなっているそうだ。
今シーズンは1月に入って気温の低い日が続き、寒い時で氷点下15度、同10度前後も珍しくなかったため、1月22日に全面結氷が確認された。氷が割れて盛り上がる御神渡り(おみわたり)という現象が見られることもあったが、最近では少なくなった、という。
冬場は道道が通行止めとなるため、同展望台は、神秘的な倶多楽湖を見られる唯一のスポットとなっている。
【写真=全面結氷し、白いベールに覆われた倶多楽湖】
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