April 19, 2013
「急がば回れ」、「ゆっくりと着実な者が競争に勝つ」。深海にはそんなことわざが似合う生物が多いが、新たな研究によると、シーラカンスの遺伝子にも当てはまるようだ。
国際研究チームがシーラカンスのゲノム(全遺伝情報)を解読しところ、遺伝子レベルでは、サメ、ニワトリ、ハイギョなど他の魚類や陸生脊椎動物よりも進化のスピードが遅いことがわかった。
深海は比較的変化の少ない生息環境で、数千年から数百万年間、捕食動物が存在しなかったと見られる点から、生き残るために変わる必要がなかったと推測されている。
◆「生きている化石」の発見、相次ぐ
シーラカンスは水深約150~700メートルに生息し、体長2メートルほどに成長する。「生きた化石」とも呼ばれ、3億年前の化石と外見がよく似ている。
国際研究チームがシーラカンスのゲノム(全遺伝情報)を解読しところ、遺伝子レベルでは、サメ、ニワトリ、ハイギョなど他の魚類や陸生脊椎動物よりも進化のスピードが遅いことがわかった。
深海は比較的変化の少ない生息環境で、数千年から数百万年間、捕食動物が存在しなかったと見られる点から、生き残るために変わる必要がなかったと推測されている。
◆「生きている化石」の発見、相次ぐ
シーラカンスは水深約150~700メートルに生息し、体長2メートルほどに成長する。「生きた化石」とも呼ばれ、3億年前の化石と外見がよく似ている。
1938年に南アフリカ共和国沖で現生種の1つ、ラティメリア・カルムナエ(Latimeria chalumnae)が捕獲されるまで、専門家の間では6500万~7000万年前には絶滅したと考えられていた。
それ以降、アフリカ東南部沿岸のコモロ諸島と、インドネシアのスラウェシ島沖の2カ所で、約300匹の個体が確認されている。
1997年にはインドネシア沿岸で、別の現生種ラティメリア・メナドエンシス(Latimeria menadoensis)も発見された。
今回の研究結果は、「Nature」誌オンライン版に4月17日付けで発表された。
Photograph by Laurent Ballesta, National Geographic