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済州島4・3事件 62周年記念追悼集会 東京・日暮里で700人参加

封印された歴史、さらに検証を

700人の観客が集会に参加した

 済州島4・3事件62周年を追悼して、パネルディスカッション「済州島4・3事件記憶と真実」が、4月26日、東京・荒川区の日暮里サニーホールで行われた。主催したのは同事件を考える会。

 集いが始まる前に、4・3事件の被害者たちに対し哀悼の意を表して約700人の参加者全員で黙祷を捧げた。

 一部では映画監督・崔洋一、作家・梁石日、作家・金石範さんらよるパネルディスカッションが行われた。

 過去の真実を語れない暗い時代から半世紀が過ぎた南では民衆のたたかいの成果として、「4・3事件特別法」制定後、遺骨発掘作業が進められ、悲惨な過去をこれからも記憶するための「4・3平和記念公園」が設立され、墓碑、資料館も建設されている。

 「ほんの10年前まではこんな状況は考えられなかった。当時の島民たちは、軍事テロ政権により精神、記憶まで抹殺された。当時は泣きたくても泣けず、語りたくても語ることのできない、人間としての存在を抹消されていた」と金氏は語った。

 また、梁氏は「事件当時、島中どこに行っても死体だらけだった。その中に自分もいて、死体のふりをした。同じ民族なのにどうして殺すのか」と幼い日の記憶を語った。

 崔氏は「2世である私は、日本で住みながら4・3事件の話をほとんど聞いたことがなかった。そこには語れないほどの、人間の理解を超える被虐的行為があったからだ。加害者側が明確な歴史認識を持って過去の真実をさらに検証していく必要がある」と述べた。

 2部では、シンガーソングライターの沢知恵さんが、「故郷の歌」「朝露」「サトウキビ畑」などの歌を披露し、会場を温かく包みこんだ。(梨)

[朝鮮新報 2010.5.10]