松山さんからの苦言の電話は
一度や二度では終わらない。
時間も日夜関係ない。
たとえ日付が変わったような時間帯の電話でも
すぐに出なければ電話は何度も何度も鳴り続ける。
だから携帯電話はいつでも肌身離さず持ち歩く。
寝る時も枕元に置いて。
「ごめんね~。寝てた?」
と言いながら本当は
何もこちらのことなどは気にしていないようにも思えた。
そして、今気づいたことあったから・・・と言って
確かに仕事に役立つよきアドバイスをくれた。
有難い。
しかし、夜中の電話ほどその後が怖いのだ。
だんだん、いろいろな方向へ話しは飛び
仕事の手際が悪い、段取りが悪い、
今後の集客をどう考えるか、
新しい企画を考えているか、
新しい企画が出なければお客は飽き離れる、
頑張っても結果がでなければ給料泥棒・・・などと
話は脹らんでいく。
上司の立場だもの
言ってることも至極もっとも。
けれど、最終的には
生きている価値無し、
拾ってしまったから仕方なく働かせてやっている、
私たち(下北さん、松山さん)とは身分が違う、身分をわきまえろ、
泥棒猫、貞操のない女、
あなたたちのような人たちは死んで欲しいと思ったこともある、
一生 底辺で這いつくばって生きろ、
それが罪を償うということだ
幸せなど感じる価値はあなたたちにはない、
そういう分際ではない・・・などなどの話。
スピリチュアルの仕事しているのだからわかるよね
これが、世の法則、みんなが良くいうカルマと言われると
何も返す言葉もない。
けれど、既に言われるがまま聞き続ける
私の心理状態は鬱状態に近い。
誰にも会いたくない。
何も本当はしたくない。
ただ必要最低限のことをこなすのみ。
仕事上の新しい企画?なんて
何も浮かびやしない。
だけれど、そんな本音
言えるわけがない。
少しずつ大好きだった松山さんのことが怖くなり、
会いたくない人になっていくのが自分でも嫌だった。
そんなこと思いながら松山さんに会うと
決まってにっこりと笑って
「厳しいことを言うのは
期待しているからよ。
これ子どもにお土産。家族で食べてね。」
などと言いながら
美味しいお菓子などいただいた。
松山さんの態度は1ヶ月の中でも波の様に変化する。
『自分』と言うものがない私は
松山さんの波に合わせて
1日の中でも1ヶ月の中でもコロコロと感情が揺れる。
最近の松山さんは、月末に差し掛かる20日過ぎになると
決まってお説教はエスカレートするように感じていた。
月末は支払いも多く給料日もある。
お金絡みは蛇がらみ。
今月も電話から
あの大蛇が出てくるのだろうか。
またも20日が過ぎた。
そろそろ蛇さんの登場かと思っていた2010年7月21日。
松山さんは、朝から機嫌が悪い。
腹ペコな蛇が大きな口をあけて
まさに全てを飲み込もうとする勢いだ。
今後、どんな企画をやるつもりか
仕事を真剣にやっているのかなど
朝から何度も電話が入る。
夕方になると
仕事を今後続ける意思があるのか
はっきりしろと
ちゃんと考えて連絡を折り返しよこせと
言われた。
仕事続けるかどうかって
勿論、辞めるつもりはなかった。
けれど、夜電話を返すのは嫌だった。
夜の松山さんは冷静ではなくなることが多いから。
腹ペコ蛇が今か今かと獲物を狙っているように感じたから。
明日、朝に電話しよう。
そう思ってその夜、床についた。
その夜、松山さんから
メールが入っていた。
以下、会社名および松山さんの名以外は原文ママ。
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今の時間まで、お二人の意志をお知らせ頂くお電話を事務所にてお待ちしていましたが
ご連絡がないということは やはり仕事の継続の意思が無いのだと認識致しました。
そうやっていつも頭上の嵐が過ぎ去るのを待つだけの生き方は
もっとも私が嫌いな生き方です。
ご縁があり これまで支えて参りましたが
きっとこのまま一緒に仕事を続けても
お二人の根本的にお持ちになっている甘えと
自分の人生しか考えてない生き方の癖は
改善出来ないと思います。
敢えてもう一度 外の社会の風に晒され
厳しい世間で生きることをしてみてください。
そして
お金を稼ぐということは
親の責任とは
本当の愛とはをもう一度学び直してみてください。
来年 春をけじめの時としたいと思います。
メンバー解散は 口外無用 法人役員の守秘義務をお守りください。ご両親 ご親族の口出しは一切認めません。
これから 株式会社 H(仮名)の行く末 つまり
新しいメンバーに任せるのか
会社を売却するのかを検討します。
最後まで仕事は完遂して下さい。
以上 来春解散まで 有終の美を飾るお仕事を望みます。
尚 来年も会場を抑える仕事はそのまま続投です。
今後は事務的な連絡以外は致しませんのでご安心を。
一切の注意指導もありません。
株式会社 A (仮名)代表取締役 松山
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(※株式会社Hは私たちの会社、
株式会社Aは株式会社Hの親会社のようなもの。
株式会社Aは松山さん代表取締役、下北さんはそこの社員。
親会社の株式会社Aの社員の下北さんを
子会社である株式会社Hの代表取締役として出向してもらっていた。)
これは私たち夫婦は解雇ということだろうか。
本当に解雇だったら?
これからどうやって生活していこうかという不安と同時に
もう、夜中怒られなくていい
蛇に呑まれなくてもいいのかと思うと
それはホッとした。
会社の代表である下北さんにメールの内容を確認するために電話した。
けれど、下北さんは
松山さんが送ってきたメールの内容を全く知らなかった。
下北さんは、何でもお見通しの能力者。
その力は松山さん以上ならば、
今のこの状況、どう判断してくれるのだろうか。
かねてから下北さんは度々こう言っていた。
「川に落ちている人を助ける時
松山の仕事の仕方(能力者として)は
自分は絶対に安全なところにいて
道具や知恵を使って自分が汚れることなく助けるやり方だけど、
俺のやり方は、川の中まで入って、自分も溺れた人と同じように
泥まみれになりながらでも体当たりで助けるやり方だ。」
そう言っていた。
自らの苦労をバネに這い上がったからこそ
自分の犠牲を顧みず他人のために働く
そんな生き方をしてきた下北さんならば、
きっと私たちを見捨てやしないだろう
そう信じていた。
綺麗な上辺だけの言葉で人を掬おうとしている
他の薄っぺらい見せかけの能力者とは
下北さんは違うはず。
そして、松山さんと下北さんは
方法論は違くても
泥水の川から人を掬うだけでなく
その泥水の川を清らかにするところまでできる人に違いない。
それくらいの器の持ち主。
だからこそ、
スピリチュアル業界の仕事に
今こうして手をつけているのだろうから。
きっと悪いようにはならない。
だって、このスピリチュアルの仕事に際し
4人(下北さん、松山さん、夫、私)の
目指している方向は同じはずだから。
真のスピリチュアルとは何ぞや?
それを追求していくために
全てを晒す覚悟で来ています。
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