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縄文遺跡群、現時点での推薦困難
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文化庁は19日、世界文化遺産への推薦を待つ国内候補10件を対象に、保全態勢の強化など関係自治体の準備がどれだけ進んでいるか評価し、文化審議会に報告した。今夏の推薦決定を目指す4件のうち「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎県、熊本県)は文化財の管理計画が整い「推薦可能」と判定したが、本県や北海道などの「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」を含むほかの候補は「課題があり現時点では困難」などとした。
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文化庁の今回の評価は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が昨年から各国による推薦件数を「原則1年に1件」と制限したのを踏まえ、審議会が推薦対象を絞り込む際の判断基準にする狙いがある。
2015年の登録を目指しユネスコ暫定リストに記載されている長崎教会群は、既に推薦書案や遺産の保全管理計画の作成を終えた。昨年夏の文化審議会では推薦を見送られたが、文化庁は「指摘された課題への対応がなされた」とした。今夏の文化審議会で推薦の可否を議論する見通し。
教会群を除く3件のうち「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」(北海道、本県、岩手県、秋田県)と「百舌鳥・古市古墳群」(大阪府)は、管理計画が未策定であることなどを理由に「13年度の推薦はかなり困難」と報告した。
稼働中の工場を含む「九州・山口の近代化産業遺産群」(福岡県など)は、文化審議会とは別の政府有識者会議で扱いを検討しており、文化庁は「意見を求められた場合、文化審議会で審議」と指摘するにとどめた。
今回の文化庁の報告について、縄文遺跡群世界遺産登録推進会議座長を務める岡田康博・県文化財保護課長は「長崎県と熊本県の準備が進んでいることは承知しているが、これで決定ではない。われわれとしてはこれからもやるべきことをやるだけ」と話している。
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