国際開城工業団地操業停止 韓国側も経済的ダメージ 866億円超2013.4.10 00:28

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開城工業団地操業停止 韓国側も経済的ダメージ 866億円超

2013.4.10 00:28 韓国
北朝鮮が開城工業団地の稼働中断を発表し、韓国・坡州の南北出入事務所で取材する報道陣=9日(共同)

北朝鮮が開城工業団地の稼働中断を発表し、韓国・坡州の南北出入事務所で取材する報道陣=9日(共同)

 【ソウル=加藤達也】北朝鮮は9日、開城工業団地に労働者を出勤させず、自ら操業を停止させた。「貴重な収入源である団地を北朝鮮が閉鎖することはないだろう」とみてきた韓国側には、「最後の一線」も踏み越えた北朝鮮に困惑が広がる。閉鎖による進出企業の損害や政府補填(ほてん)などで韓国側は莫大(ばくだい)な負担を迫られることになり、政治問題化しかねない事態だ。

 韓国メディアは団地閉鎖による韓国側の経済損失は年間推定で約1兆ウォン(約866億円)と伝えている。

 朝鮮日報によると、進出企業123社の生産額は月約4千万ドル(約40億円)。投資総額は約5568億ウォン(約482億円)に上る。企業は南北経済協力保険に加入でき、各加入企業は70億ウォン(約6億円)を上限にして投資の90%まで損害の補填を受けることができるが、政府の支出となる。

 開発の際、韓国側からは韓国電力など公的企業が造成や社会基盤整備に当たった。これらの投資も「5・5兆~6兆ウォン(約4770億~5200億円)になる」(政府当局者)という。

 北朝鮮側の損失は、労働者約5万3千人分の給料として受け取っている年間8700万ドル(約86億円)の外貨にすぎない。

 開城工業団地は2004年の操業開始以降、一度も操業を中断したことはなく、10年3月の哨戒艦撃沈事件や同年11月の延坪島砲撃の直後も操業してきた。

 初の事態に進出企業には取引先企業から納品への影響を懸念する問い合わせなどが相次ぎ、「死活問題だ」と困惑が広がる。韓国与党セヌリ党筋は「今後、早期の操業再開を求める声が強まれば、北朝鮮への強硬対応が難しくなる」と懸念する。朴槿恵大統領は9日、北朝鮮に対し「非常に失望した」と表明した。

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