クローズアップ2013:福島、子供の甲状腺検査 山下俊一・県立医大副学長に聞く
毎日新聞 2013年04月22日 東京朝刊
◇目的含めて見直し必要−−山下俊一・県立医大副学長=県民健康管理調査検討委座長
県民健康管理調査を巡っては、秘密裏に検討委員会の準備会(秘密会)を開いていたことが昨年秋に発覚するなど、透明性の欠如が批判されてきた。検討委座長の山下俊一・県立医大副学長(60)=非常勤、4月から長崎大副学長=に聞いた。
−−1次検査は観察項目を省略し、1人2〜3分で終わる。精度は高いのか。
◆小さいのう胞や結節も見つけられる意味で精度は高い。スクリーニング(患者を拾い上げる簡易な)検査としては十分だ。
−−2月に座長の辞意を示した理由は。
◆調査の実施部隊(県立医大)と検討評価(検討委)を同じ人間がやるのはおかしいと感じていた。準備会が報道され、調査の客観性や信用性が問われると思い、代わるべきだと思った。
−−「不安の解消」を目的に掲げる調査は、「被ばくの影響なし」という結論ありきではないかとの批判がある。
◆誤解を与えたことは申し訳ない。事故直後は不安が強かった。今は段階が変わっている。目的も含めて見直されるべきだ。