「近大マグロ」庶民の味になるか 天然と遜色なし「ほとんど区別がつきません」 (4/4ページ)

2012.12.23 12:04

養殖いけすからマグロを取り出す様子=鹿児島県瀬戸内町の近畿大学水産研究所奄美実験場(近大提供)

養殖いけすからマグロを取り出す様子=鹿児島県瀬戸内町の近畿大学水産研究所奄美実験場(近大提供)【拡大】

  • 氷づけにされたクロマグロ=和歌山県串本町の近畿大学水産研究所大島実験場(同研究所提供)
  • 養殖いけすの中を泳ぐクロマグロ=和歌山県串本町の近畿大学水産研究所大島実験場(同研究所提供)
  • クロマグロをつり上げる様子=和歌山県串本町の近畿大学水産研究所大島実験場(同研究所提供)
  • ふ化してから31日のクロマグロの稚魚(近畿大学水産研究所提供)

 今は高級食材の養殖クロマグロ

 近大では産卵の段階からクロマグロを育てる「完全養殖」だが、ある水産関係者は「近大以外でクロマグロの完全養殖に成功した事例は聞いたことがない。マグロを10キロ太らせるにはイワシなど200キロ前後の餌が必要で、採算面は厳しいのでは…」と推測する。

 このため、養殖による大量生産で本当にクロマグロが手の届く価格になるまでにはもう少し時間がかかるかもしれない。しかも、近大はクロマグロの完全養殖で世界的に知られるようになり、「大間」ならぬ「近大」がマグロのブランドとして浸透しつつある。業界関係者は「有名になってきたことで取引が活発化すれば、値段は意外と安くならないかも」と推測する。

 近大理事長で、参議院議員の世耕弘成氏は「まず養殖魚のおいしさを体験してほしい。売り上げは考えない」と述べ、当面は採算度外視でのぞむという。言い換えれば、現時点で「近大マグロ」は相当な高級食材なのかもしれない。(松村信仁)


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